体操着、裾を出せば4℃涼しい! 熱中症対策で理科教諭が実験 「シャツイン指導」に一石

市川勘太郎 (2018年8月29日付 東京新聞朝刊)
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サーモグラフィーを使った実験で、体操着の裾を出した生徒は青い部分が多く、涼しいことが分かった(富田尚道教諭提供)

 「体操着のシャツの裾は出した方が涼しい」。群馬県前橋市内の中学校で理科を教える富田尚道教諭(61)がサーモグラフィーを使った実験でこんな結果を導き出した。中学校の現場ではシャツの裾入れの指導がされているが、富田教諭は「熱中症対策として検討してほしい」と呼びかけている。

サーモグラフィーで4人の生徒を比較

 実験は今年6~7月にかけて実施された。4人の生徒のうち2人はシャツの裾を入れた状態(イン)、2人は出した状態(アウト)で運動し、運動後にサーモグラフィーで体温を測定。2分後に体温を比較すると、アウトの生徒の体温は29~30度とインの生徒よりも4度ほど低くなった。

 富田教諭は今月、高崎市で開かれた科学教育研究協議会の全国研究大会で裾出し実験の結果を発表。全国から集まった理科教諭から大きな反響があった。実験の結果について説明した動画はYouTubeで視聴できる。

「生活指導の基本」とされているけど…

 日本中学校体育連盟では大会のルールとしてシャツの裾入れを明文化している競技もあるという。また学校の現場でも安全面を考慮するほか、生活指導の基本として「裾入れ」の指導がされている。

 今年の夏は、気象庁が「災害」と指摘するほどの猛暑が続いており、富田教諭は「命を守るための一つの選択肢として、学校現場で臨機応変に対応してもらえれば」と期待している。

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  • 匿名 says:

    海外にいます。
    日本は服装も子どもの意見より、決まりを大事にしているように思えます。
    もっと子どもに裁量を任せても良いと思います。

     女性 50代
  • Boss says:

     中学校 サッカー部の部活動指導員をしています。つい最近の練習試合の時に同様の事に気づきました。指導者の立場としてはシャツインを支持するべきとは思いましたが、ファッション性だけではなく換気力向上面からは自分自身体験していますので、状況を判断しシャツインの指示はしませんでした。給水タイムの導入も最近全カテゴリーで可能となりました、熱中症に対する対応の必要性は、多くの指導者が実感していると思います。プレイヤーを守るための方策をスポーツの礼儀を踏まえた上で取り入れていく(現況は容認する)事は必要だと考えます。クールビズの導入のように期間を限定し目的を明確にして熱中症予防の対策として指導していくべきだと考えます。

    Boss 男性 70代以上

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