学校の貸与タブレット、電気代は誰が払う?「家庭で充電」求める習志野市教委に反発も 文科省は「学校で」

保母哲 (2021年4月26日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
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習志野市教委が児童生徒に配備したタブレット。キーボード部分は取り外しができる

一部の保護者が「同意書」を拒否

 小中学生に1人1台の情報端末を配備する国の計画で、千葉県習志野市教育委員会が貸与の際に保護者に電気代負担を求めるなどとした同意書を配布した。ところが、一部保護者から「義務教育であり、家庭に費用負担を求めるのはおかしい」などの声が上がり、同意書の提出を拒否する保護者も出ている。電気代負担を盛り込んでいない別の同意書が配られた学校もあり、保護者の間では「電気代の負担はどうなっているのか」との声も。文部科学省は「学校で使う端末であり、基本的には学校で充電してもらうことになる」と説明している。

「充電」項目のない同意書も存在

 国の「GIGAスクール構想」を受け、全国の小中学校では今年3月末までに、タブレット端末やパソコンがほぼ配備された。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、オンライン教育での活用も想定されている。

 習志野市教委は今春、市立の小中学校23校を通して、保護者向けに「タブレット端末の利用についての同意書」を配布。使用する際のルールや注意点などを挙げ、児童生徒と保護者の署名を求めた。

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習志野市教委が保護者向けに配布した同意書(一部分)。三つ目の項目に電気代負担が盛られている

 書面には「タブレット端末への充電は家庭で行います」などの項目があったことから、保護者の一部が反発。さらに、この項目などがない別の同意書が配られた学校もあり、市教委の対応に疑念を抱く保護者もいる。

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電気代負担の項目がない同意書(一部分)も配布された

同意書拒否なら「持ち帰り禁止」

 習志野市教委は本紙の取材に、「タブレットは自宅に持ち帰ってもらうことを想定しているため、充電は原則、家庭で行ってほしい」と話す。充電器も家庭に置くことを基本とし、学校で使う際に電池残量が減った場合は、校内で適宜充電してもらうとした。

 電気代負担の項目が省かれた同意書が配られた学校があることに、習志野市総合教育センターの安村和晃(かずあき)所長は「同意書の作成段階で検討した、正式ではない文章が誤って一部の学校で配られた」。省かれた同意書が提出された場合、改めて負担を求める項目が入った同意書を配布するという。同意書を拒否する保護者には説得を続け、拒否なら持ち帰りできない方針としている。

保護者「近隣市では学校で充電」

 電気代の家庭負担を疑問視する保護者からは「学校での使用分まで自宅で充電するのは疑問がある」「近隣市では学校で充電することになっている」などの声が上がっている。

 こうした事態に、文科省情報教育・外国語教育課は「基本は学校での充電」と指摘。ただ、端末を持ち帰って家庭で長時間使用することも想定されるだけに、「翌日の授業に支障が出るような場合には、家庭で充電してもらうこともあり得る。このため、保護者と学校などの間で事前に話し合って対応してほしい」と話している。

GIGAスクール構想とは

 全国の小中学生を対象に、1人当たり1台の情報端末を配備する国の構想。高速大容量の通信ネットワークの整備とを併せ、「教育ICT(情報通信技術)環境の実現」を目指している。2019年12月に閣議決定された際には、2023年度までに1人1台配備を実現することを掲げたが、新型コロナウイルスに伴う学校休校とオンライン教育の必要性などから、計画が前倒しされた。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年4月26日

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コメント

  • 匿名 より:

    義務教育が無償という考え方がおかしいという意見があるが、どういう根拠でそうなるのか。国が家庭の貧富の差に関わらず全ての子どもが教育を受けられるように制定している制度なのだから、家庭に負担を強いるのはおかしい。また、学校が機器を使用せよと命じているのだから、それにかかる費用は学校が負担するべきではないか。日本は先進国(と言えるかわからないが)の中でも教育にかける予算をケチりにケチっている国。他国がいかに、人を育てることが国にとって重要だと認識し、予算をつけているか知ってほしい。

  • 匿名 より:

    毎日持ち帰り、家で充電をするように指示が出ています。高価な電子機器なので、学校で管理してほしいです。休み時間など先生の目が行き届かない時間に、破損が起きたらどうなるんだろうという不安もあります。持ち物を隠された、壊されたなど起きないとは言えないです。いじめ(この言葉自体すきではありませんが)を受けたことのある子供は不安だと思います。壊されたら、壊されたことを証明できない限り弁償しないといけないのかなと。

    重さ1.5キロもあります。

  • 匿名 より:

    最低。本質をもっと深く見て欲しい。その視点で書きます。習志野には確かに経済的な格差があります。それも原因の一つ。しかし一番の問題は習志野市の教育行政に原因があります。ずっと前から学校にPCすら入っていなかった。ずっと全国最低レベル。過去のデータ見たらわかります。市民も行政も関心がない所にタブレットだけ持ち込んでも理解できないのは当たり前。今回Winタブレット入れたとウワサで聞いたけど、どう使うのか?何のために入れたのか?行政も教師も見通せていないのでは無いだろか。

  • 匿名 より:

    要望を聞いていたらきりがないので、自宅で充電したくない家庭は持ち帰りはしない方向しかないのではないでしょうか。

    充電する設備を用意する為に電気配線工事+充電用のラックまで用意できないところもあると思います。また、数百台のPCが接続するWifi環境を構築するのも大変ですし。最初の1年目は色々お金が必要です。

    理想はすべて無料なのかもしれませんが、少しは家庭も協力しても良いのではと個人的には思います。家庭側も教育サービスを受けるだけではなく、参加する(金銭的にも)気持ちが必要なのでは。

    機器の破損などについては、学校?(無理ですよね)がまとめて保険に入るべきと思いますが、始めたばかりなのでここまではできてないのではないでしょうか。

  • 匿名 より:

    拒否したければそうすれば良い。
    義務教育を盾にするなら、なぜランドセルが自己負担なのだ、という議論にまで行きつく。
    拒否して、自分の子供が不憫な思いをすればいい。

  • 匿名 より:

    義務教育は無償!
    確かに、これは理想に過ぎないのかもしれません。しかし、教育が理想を目指せなくなったら何を光として子どもたちを導いていいのか分からない。
    給食費だって無償に向けて動き出している今。電気代ぐらい…という解釈はいかがなものだろうか。

  • 匿名 より:

    同意書を出さないでいる保護者当事者です。

    同意書を出さない理由は人それぞれで、電気代を理由にしている人は、隣接する船橋市、千葉市、八千代市が学校で充電(タブレット充電保管庫で管理)の方針なので、不公平感をもっているのだと思います。

    わが家の場合は、記事にならなかった別の項目「家庭での盗難や紛失・・・購入にかかる費用は自己負担します。」に納得できないので、同意書を出していません。この部分も学校によっては削除されています。

    ノートや鉛筆のように家庭で使用する電気代を支払うのは、私は抵抗感はありません。

    ただ、学校で使った分も家庭で充電だと、タブレットを毎日持ち帰らなければなりません。

    低学年の子は特に、ただでさえ重たいランドセルに1キロのタブレット・キーボード・タッチペンを入れて登下校をさせるのはたいへんです。そのうえ、何万円もする電子機器ですから心配です。

    タッチペンなんて、小さい子は失くしたり、壊したりしそうで怖いです。登下校中にひったくられたり、いじめで隠されたりすることもあるでしょう。それは利用者=子どもだけの責任なのでしょうか。高価なものは子どもに持ち歩かせないとしているご家庭もあるのではないでしょうか。

    ネットで他市の同意書を調べてみると、持ち帰りによる盗難、紛失、破損をすべて子どもや父母の責任としている市は、他に見つかりませんでした。

    盗難、紛失、破損のリスクを減らしてあげるのが大人の役割ではないでしょうか。自宅で使う予定がない日は、持ち帰らず学校で管理してもらいたいです。

    子ども達に毎日持ち帰りを求めておきながら、登下校や自宅での盗難や紛失は弁償すること、自分で払えなければ父母が払うことを誓約させる、習志野市のやり方に憤慨しています。

  • 匿名 より:

    学校でも使用する機材を学校で充電することを禁止されるとしたら根拠がわからない。一人一人に貸与はされるが、使用時間は圧倒的に学校が多いのではないか。毎時間のように使用すれば、それだけで電池切れになる事態も考えられるのだから、同時に多くのデバイスを充電するための機器なり、電気の補充?なりを校内で整備することが円滑な授業進行のためにも必要ではないか。鉛筆やノートの消費スピードよりも電力の消耗の方が早い気もするので。

  • 匿名 より:

    「義務教育なのにお金がかかるのはおかしい」という主張自体が理解しがたい。この主張は、給食費を支払わない親がよく言っていた言葉だ。

  • 匿名 より:

    貧困状態で電気代も神経質にならないというのなら分かるが、そうでもないのに電気代云々言うのは理解できない。

  • 匿名 より:

    何でも反対すればよいとおもっているのか?
    充電をどこでするかなんて思いもつかなかった。
    タダで使えて教えてもらえる夢のようなことだと思うけど。
    もっと素直になっていいのじゃないですか?

  • 匿名 より:

    では、鉛筆は学校で使用するから、学校で買うものなのか。ノートは?
    自分の子どもが使うものなのに、どこまで学校に負担を求めるのか。
    だいたいコンセントがそんなに学校にあるわけない。非常識な保護者に驚いた。

  • 匿名 より:

     ノートや鉛筆など学用品代は自己負担がごく普通のことです。義務教育なのだから、なんでも行政が負担せよというのは通らない理屈です。年間で100円程度の電気代の自己負担は無理のあるものではないでしょう。タブレットなどを校内で利用するのであれば、学校で充電する方が合理的です。学校閉鎖措置に伴う家庭への貸与ならば家で充電するのが自然だと思います。
     一部の保護者の反発というのは、電気代負担というよりもオンライン授業で教育を済まそうとする教育への不安や不満にあるのでしょう。平常に戻った時、家庭でもオンライン学習をすべての子供が、公平にできるように機器だけでなくネット環境など行政は、当然にその整備を行わなくてはならないでしょう。

  • 匿名 より:

    電気代より「ネット環境ありき」の考え方がまずおかしい。
    スマホで済ませて家にネット環境がない家も有る。
    そこがどうなっているのか、ネット引くだけで電気代(微々たるもの)よりはるかに大きな出費になるのだが・・・・。
    例えば母子家庭や生活保護世帯など。

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