板橋区の「まいにち子ども食堂」を運営 NPO法人ワンダフルキッズ理事長・六郷伸司さん

増井のぞみ (2018年5月21日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

 

写真 「まいにち子ども食堂」を運営する六郷伸司さん=東京都板橋区高島平で

「まいにち子ども食堂」を運営する六郷伸司さん=東京都板橋区高島平で

 板橋区立徳丸ケ原公園の隣のマンションの一室に住み込み、3月1日から「まいにち子ども食堂高島平」の運営を始めた。毎日、朝7時から夜8時までオープンする。朝昼夜の食事を、自らを含めNPOの会員らが台所で調理して提供。大学生までの子どもは無料。大人は朝100円、昼200円、夜300円だ。

 オープンして2カ月半の5月14日夜。保育園児とその母親、小学生らが肉や魚、野菜のおかずとみそ汁が付いた夜ご飯を味わっていた。「もっとかけて」と2歳の女の子におねだりされ、六郷さんは白ご飯にふりかけをかける。

 食事を終えた子どもは、ボランティアとボードゲームで遊んだり、テレビを見たり。「どこに住んでいるんですか」。近くに座った母親どうしの話が弾む。約40平方メートルの「食堂」は、いくつもの家族が同居するお茶の間のようだ。1日平均約30人が訪れる。

 週3回は利用しているという4児の母(34)は「仕事の後、ふらっと寄って子どもと一緒にご飯を食べられる。値段も魅力的」と話す。夫が九州に単身赴任中の女性(32)は「ボランティアのお兄さんが4歳の息子と遊んでくれて助かる。気持ちの面で、ここがないとやっていけない」と語る。

 六郷さんは「子育ての最中に余裕がある人なんていない。誰でも来て、ほっとできる居場所になれば」と願う。自分の子どもは4人とも成人し、孫もいる。自身の活動を「お世話になった親戚や近所の人など社会への償い」ととらえる。

 秋田市出身。小学5年の時に父が脳卒中で亡くなり、ひとり親家庭で育った。地元の秋田商業高校を卒業して上京。電車の運転士になりたかったが、高卒採用がなく、ジェットコースターなどの乗り物を扱う遊園地に就職し7年働いた。

 その後、秋田に戻ったが、家族の事情で再び東京へ。駅で地方の物産販売などさまざまな仕事を経験した。末っ子を学習塾に通わせるお金がなく、2011年に板橋区で立ち上げた無料学習塾がNPOの活動の原点だ。そこで、経済的貧困のため毎日の食事に困る子どもたちに出会った。

 さらに「両親共働きなどで家族と過ごす時間が少ない子どもの社会的貧困も見逃せない」という。運営の原資は、クラウドファンディングで集めた120万円など寄付が頼り。「一年は大丈夫かな。必要な人がいるりやめられない」(増井のぞみ)

NPO法人ワンダフルキッズ(板橋区)

「まいにち子ども食堂高島平」(高島平7)のほか、月2回の「前野町子ども食堂わくわくランド」(前野町3)、毎週日曜の学習支援「K&Y’sカフェ」(本町)を行っている。問い合わせは六郷さん=電090(5583)6322=へ。

すくすくボイス

この記事の感想をお聞かせください

いただいた投稿は、東京すくすくや東京新聞など、
中日新聞社の運営・発行する媒体で掲載させていただく場合があります。

コメント

  • 匿名 より:

    「毎日」というのに驚きます。すごいですね。

  • 匿名 より:

    自分にできる支援を少しずつ続けていきたいと思います!!

あなたへのおすすめ

PageTopへ