私たちの「性」ってどういうことなんだろう。東京すくすくは、学校では学ぶ機会が少ないさまざまな「性」について、みなさんと一緒に学べる場「てらすまなぶ」をオープンしました。
東京すくすくのコンセプトは「子どもとの生活を支える」です。まずは子どもの周りにいる大人に「性」に関わることばや、社会で課題となっている「性」について知ってほしい。そんな思いから、大人の学び直しにも詳しい堀川修平さんに講師をお願いしました。
いっしょにジェンダーのこと、学びませんか。
みなさんはじめまして。性教育について研究している、堀川修平です! これからみなさんといっしょに「性」について考えていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
私はふだん、大学で研究したり、学校の先生や助産師さん、お医者さんたちと、より良い性教育について考える活動をしています。
みなさんは、「性教育」について、どんなイメージを持っていますか? 成長にともなって体や心に変化が起きることや、性にまつわる病気などについて学校で教わった人は多いでしょうか。ちょっと怖かったり、恥ずかしかったりした人もいるかもしれません。
日本では、ほとんどの学校で性教育の授業数がとても少ないのが現状です。そのために、性教育の一番重要なメッセージが子どもたちに伝わっていないと私は感じています。
性教育で大切にしていることは何かというと、人権を前提にすること、つまり、自分も他人も大切にできるようになること。自分のことを正確に知って、家族や友達、社会で出会ういろんな人たちとお互いを尊重したコミュニケーションをとれるようになることです。
性教育は、みんなが幸せに生きていくために学ぶ学問なのです。
海外では、「性」について子どもたちが幼いころから学んでいる国もあります。そのような教育が行えるように、国連機関のユネスコやユニセフは、子どもの年齢や状態に応じた教え方や教える内容をまとめた本(「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」といいます)を出しました。どんな中身か、少しみてみましょう。
小学生の娘がおります。周りの保護者の方から度々出る話題で聞くたびにモヤモヤしますが、周りの空気を考えるとはっきりと自分の意見を言いづらい言葉ナンバーワンは「男の子はバカだから〜」です。対する言葉は「女の子はしっかりしていて良いよね〜」です。
この年齢ですでに、男子児童にたっぷりと甘やかしを残して、女子児童に「バカ」な男子のサポートを期待する含むのある言葉です。
一体全体年齢のどの時点で男性の方が女性よりも有能に逆転し社会的権力の中心にふさわしく成長するのでしょうか?
「男の子はバカ」の意味するものは自由、元気、愛すべき性格、伸び伸びとした溌剌さです。女の子はその素晴らしい男の特性を見守り、サポートして、青年になるまで存分に成長させるために「しっかり」とケアするという役割を小学生、いえ、保育園生活の幼児期から期待されています。男子児童の保護者の方が、嬉しそうにこの言葉を使うたびに子どもに聞かせたくないと胸がざわつきます。
(東京都・女性・40代)
テレビでロングヘアの小学生男子を見て「この子男の子なのにめちゃ髪が長い」と言ってしまった。
(東京都・女性・50代)
テレビの司会者の背景に意味もなく微笑んでいる女性アシスタントに違和感を感じます。昔は水着だったりしました。女子アナも同じです。
(埼玉県・男性・50代)
家庭内での「機械系は男性の方が得意」という思い込み。たしかに得意な男性やメカが好きな男性は多いかもしれないが家庭のレベルのものであれば調べてやれば大抵誰でもわかるようになっているはずであり、こうした言説がなおさら分業を進める形にしていると思う。
(東京都・女性・30代)