大学入学共通テストに英語の民間検定 開始まで7カ月、3割の大学が「導入未定」
原尚子 (2019年8月28日付 東京新聞朝刊)
2020年度に始まる大学入学共通テストに導入される英語民間検定試験について、文部科学省は27日、各大学の利用状況や6団体7種類の試験情報を見ることができる「大学入試英語ポータルサイト」を開設した。同省のホームページからアクセスできる。
文科省が情報サイト開設したが…
サイトには文科省の調査に対する各大学の回答を掲載。英語民間検定試験を利用するかどうかについて、4年制の国公私立大学(専門職大学を除く)757校のうち、公私立大計204校が「全ての学部・選抜で未定」としている(8月1日時点)。未回答の私立大22校を合わせると3割に当たる大学で、いまだに利用が不明な状況にある。
民間試験は来年4月から始まる予定だが、詳細な日程を公表していない実施団体があるほか、「TOEIC」が参加を取り下げるなど混乱が続き、学校現場から公平性などに不安の声が上がっている。
9月から申し込みが始まる試験も
サイトでは、来年4~12月に行われる「GTEC」や「英検」など各試験の日程や検定料なども掲載。7種類のテストから2回まで受験が可能で、申し込みは最も早いもので今年9月から始まる。また、各大学が試験の結果をどう活用するかも示されている。
文科省は利用の有無や詳細を決めていない大学に対し、9月中に情報を確定して公表するよう要請する。また、試験の詳細を公表していない実施団体についても、今秋には明らかにするよう求めている。