夜の小学校がイルミネーションと花火150発で幻想世界に! コロナ禍の子どもへ夢を届けた「おやじ」たち
寺本康弘 (2020年11月25日付 東京新聞朝刊)
新型コロナウイルスの影響で修学旅行や遠足などさまざまな行事が中止となる中、埼玉県羽生市の井泉小学校で21日夜、学校の遊具や校舎を電球で彩るイルミネーションの点灯式があり、150発の花火も打ち上げられた。普段見慣れている学校が幻想的な世界に生まれ変わり、子どもたちをはじめ保護者からも歓声があがった。
羽生市の父親有志 180件の協力を得て
企画したのは、井泉小に通う児童の父親の有志でつくる「おやじの会」。子どもたちが楽しみにしていたイベントが次々と中止となり、「何かできることはないか」と9月ごろから準備してきた。
費用に充てる1口5000円の協賛金は、メンバー15人ほどが市内の事業者や個人を一軒一軒訪ね歩いて依頼した。中にはコロナで売り上げに影響が出ている飲食店もあったが、「子どもたちのためなら」と協力してくれる店舗もあった。最終的には計180の事業者・個人から協力を得た。
「想像以上にきれい…めっちゃよかった」
当日は午後5時半すぎに約4万球のイルミネーションが一斉に点灯。午後7時から5分ほどの間に花火が次々と打ち上がった。集まった子どもや保護者らは笑顔で夜空を見上げ、花火が終わると自然と拍手が湧き起こった。6年生の高谷結菜さん(12)は「想像以上にすごくきれいで、めっちゃよかった」と喜んだ。
おやじの会の長沢雅己会長(44)は「コロナで子どもたちも我慢しているけれど、夢は忘れないでほしい。応援してくれる人がいることも伝わってほしい」と話した。
11月27日まで、一般の見学も可能です
井泉小のイルミネーションの点灯は11月27日まで、午後5時半〜7時に行われる。一般の人も校庭に入って見学できる。