川崎市教委が2025度の給食費を値上げ 1人当たり年間9000円前後の負担増に 物価に連動して毎年見直し
1食あたり小学校317円 中学校376円
市教委健康給食推進室によると、毎年秋までに前回の改定時から1%以上の消費者物価指数(CPI)の増減があった場合、翌年度の給食費を改定する。物価が1%以上上がれば値上げし、1%以上下がれば値下げとなる。増減幅が1%未満であれば据え置く。
担当者は「給食費が足りなくなり、食材がさみしくなる時期が出るのはよくない。物価連動方式の導入で、子どもたちに我慢させることなく、給食の質を保つ」と狙いを説明する。
来年度は、保護者にとっては子ども1人につき年間9000円前後の負担増となる。市議からは国の交付金などを活用し、保護者負担の抑制を図るよう求める意見が挙がった。
市教委は今秋、市立学校の保護者と児童生徒の一部を対象に実施したアンケート結果を公表。
保護者の85.2%が給食費値上げに理解を示したとした一方、給食無償化を求める声もあった。児童生徒からは改善を求める点として「くだものやデザートの回数が少ない」が最多となり、食材料費不足の影響への不満が示される形となった。
「多摩川格差」拡大と市民団体訴え
市民団体「学校給食の無償化を求める川崎市民の会」は22日、川崎市役所で会見し、市議会の各会派などを対象に実施したアンケート結果を公表した。
同会によると、アンケートには5会派と無所属3人が回答。川崎市での給食無償化への賛否を問う設問には、公明、共産、川崎・維新、三浦恵美、三宅隆介の両議員(いずれも無所属)が「賛成」とし、自民、みらい、月本琢也議員(無所属)が「どちらともいえない」とした。「どちらともいえない」とした会派・議員は「国で無償化すべきだ」などとした。「川崎市の無償化実現に何が必要か」という問いには、多くが「国からの財政支援」と回答した。
同会メンバーの柴史織さんは会見で、市教育委員会がこの日、来年度からの給食費値上げを報告したことや、東京都内の自治体で無償化が広がっていることに言及。「子どもたちが満足できる給食を提供するため、1食あたりの単価を上げることは必要だが、値上げ分を保護者が負担するのでは(多摩川を挟んで東京都と神奈川県で格差が生じる)『多摩川格差』は拡大する一方だ」と述べ、川崎市の主体的な取り組みを求めた。
同会は6月から街頭とインターネットで、国に先駆けた取り組みを市に求める陳情の署名活動を展開。22日までに約2万筆が集まり12月に市議会に提出する予定という。
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