芸人 横澤夏子さん よくしゃべる3人の娘「家に私が4人いる感じ」 参考書のない長女の子育てはいつも悩んでいます
長女の自分に厳しかった母
夫と4歳の長女、3歳の次女、1歳の三女と暮らしています。私よりも子どもの方がよくしゃべります。「横澤夏子」が4人いるみたいな感じ。夫は肩身が狭そうです。
プリンセスになりたい長女は、毎朝パジャマからドレスに着替えて、食事の際にまたパジャマになって、食後にドレスを着て、またトイレのために脱いで…の繰り返し。長女が0から1の面白さを作り出すとしたら、次女はそれをアレンジして10にする。三女はそれを見て仕込んだサクラのように手をたたいて笑っています。ほほえましいのは一瞬で、30秒後にはけんかに。私は「離れて!」ばかり言っています。
私も夫も3人きょうだい。私は長女で、昔は「なんで私ばかり怒られるんだろう」と思っていました。今、子どもを怒る時の熱量は3人平等です。でも、長女にはいつも悩んでいます。2人目以降は、1人目という参考書が出来上がっていますが、第1子は、初めてぶちあたる壁ばかり。母が私に厳しかったのも、分かる気がします。
保育園の先生に助けられ
例えば、長女は自分のルールを通したがり、コミュニケーション術をいつ学ぶんだろうと悩んだこともあります。保育園の先生から、相手に心があることに気付くのが年中で、その心を受け入れようとするのが年長だと教わりました。近くにプロがいるのはありがたいです。
家庭の様子を書いた園の連絡帳をインスタグラムで紹介したら、たくさんの反響がありました。うちだけじゃないんだと心が穏やかになりました。先生やフォロワーはチームメートのような存在です。
夫も、私の番組出演の際にワンオペ育児をしてくれます。お出かけを重ね、「これを見せておけば大丈夫」など、夫なりの作戦ができていました。家事の分担もしていますが、うまくいかないことも。その度にルールを変える「法改正」をします。最近では、子どもの食べ残しの処理を夫に任せました。自分で作ったものを自分で捨てるのがつらかったからです。
育児は「ごっこ遊び」の延長
子育ては毎日同じことの繰り返し。なので、何かになりきったり、役柄を変えたりします。子どもをフルネームに「さん」付けで呼んでみると、会社感がでて面白い。4年目の若手をいびりたおしている34年目のベテランだなって気付けることも。私も幼いころから「ごっこ遊び」が好きで、その延長線上に仕事や育児がある気がします。
これから子どもの思春期がやってくると思うと怖すぎますが、リビングに集まっておのおのが何でもしゃべって、にぎやかに過ごしたいです。子どもたちにはあいさつなど礼儀を身に付けてほしい。私も仕事をしていて、とても大事だと実感しています。学校では学べないことを親として教えていきたいですね。
横沢夏子(よこさわ・なつこ)
1990年、新潟県出身。高校卒業後に吉本興業のお笑い養成所に入学し、19歳でデビュー。一人芸のコンテスト「R-1グランプリ」で2016年から連続で決勝に進出した。3児の子育てをつづった「ドタバタ子育て大作戦 三姉妹のれんらくちょう」(オレンジページ)を11月に出版。