保育施設の子どものコロナ感染増加、主な要因は「家庭内」だった 港区保健所の調査「施設では拡大傾向は確認されず」
4~8月に感染者が出た39施設を調査
4~8月に、園児や職員に感染者が出た39の保育施設の事例を調べた。濃厚接触者は園児が12人、職員が19人で、PCR検査を受けた。そのほか接触の可能性がある「接触者」のうち、園児263人、職員137人もPCR検査を受けた。
結果は、園児の感染者は濃厚接触者と接触者を合わせた全体のうち、3.3%だった。濃厚接触者全員が陰性。接触者9人が陽性だったが、うち2人は軽症、残り7人は無症状だった。
職員の感染者は、全体の7.1%だった。濃厚接触者は5人、接触者は6人が陽性だった。
1人感染で休園しなくても対策強化を
みなと保健所は、保育施設で感染がそれほど広がりを見せなかった理由について、手洗いや消毒、密の状態にしないなどの対策が有効なためとしている。小さな子ども同士では、長時間の会話になりにくいことも一因とみている。
また担当者は「感染者が1人見つかった時点で休園しなくても、消毒や接触者の健康管理などを強化すれば、保育サービスの維持に役立つ」としている。
「保育施設での対応」「家庭内感染の防止策」などの動画公開
港区みなと保健所が、保育施設で新型コロナの感染者が見つかった時の対応や、家庭内感染の防止策などを説明する動画を作った。保育所や園児の保護者ら向けに港区のホームページで公開している。
動画は「共通編」「家庭編」「施設編」の3部構成で、長さは各13~23分。港区感染症専門アドバイザーの堀成美さんが資料を示して解説している。「共通編」では、子どもの感染状況や特徴を解説している。小さな子は無症状や、発熱が数日続く軽症の場合が多いが、周囲に感染させる可能性がある。
「家庭編」は家庭内感染の防止策を取り上げた。父親や兄弟から小さな子どもが感染した例や、家庭内感染を防いだ例を紹介。家族と話す時のマスク着用などを呼びかけている。「施設編」は、職員が感染した時の保健所とのやり取りや自宅待機者の選び方、運営再開までの流れなどを説明している。
港区ホームページの「新型コロナウイルス感染症特設ページ」から「保育所 動画」などと検索すると、動画を見ることができる。