米が高くて買えず「子どもの健康が心配」 満足に食べさせられない貧困子育て世帯、昨年の3倍近くに
米の価格高騰を受け、経済的に厳しい家庭の3割の世帯で、子どもが十分な量の米を食べられていない懸念があることが、子ども支援専門NGO「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」のアンケートで分かった。
「あまり」「ほとんど」米を十分食べていない計35%
10~11月、住民税所得割非課税世帯など経済的に困難な状況にあり子どものいる5006世帯を対象にしたアンケートで、過去1週間に給食以外で子どもが十分な量の米を食べているかたずねたところ、「経済的な理由であまり食べていない」「経済的な理由でほとんど食べていない」と答えた世帯が計35%に上った。昨年同時期の状況を聞いた回答と比べた場合、3倍近く増え、子どもの健康な発育への影響が懸念される。
米を十分に食べられない理由として、「お米の高騰や物価上昇に対して賃金が上がっていないため」と回答した世帯は76.1%。十分な量の米を食べることができないときの工夫として、「保護者が食べるお米の量を減らす」が85.5%と最も高く、「子どもが食べるお米の量を減らす(おかわりをしないようにすることを含む)」が15.7%だった。
自由記述欄には、クリスマスプレゼントやお年玉が用意できないという声のほか、シングルマザーを中心に以下のような物価高に悩む悲痛な声が記されていた。
「子どもが食べ盛りで、たくさん食べさせたいが、ご飯をあまり炊かないようにしている。年末年始、子どもがずっと居るので食費が怖い」(中学生3人を一人で育てる熊本県の30代女性)
「何もかも値上がりで手が出せない。十分な食べものを用意できず我慢ばかりさせている」(中高生2人を一人で育てる三重県の30代女性)
「物価が上がっているのに、給料は上がらない…毎日毎日生きることに必死」(中学生2人を一人で育てる東京都の30代女性)
「お米が高くて食べる量を減らしているので栄養面でとても心配」(小中学生、高校生の5人を育てる宮城県の40代女性)
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは年内に、対象世帯に食品などの詰め合わせを配送する予定だ。