スポーツクイズでコロナ疲れをリフレッシュ! 全10問、何点取れるかな?親子で挑戦しよう〈アディショナルタイム〉

谷野哲郎

 せっかくいい陽気になったのに、新型コロナでどこにも出掛けることができない、皆でスポーツもできない、つらい日々が続きます。そんなときは頭の体操でリフレッシュしてみませんか? 今回のアディショナルタイムは「すくすくスポーツクイズ」。初級編から最上級編まで全10問。さあ、親子で協力して、全問正解を目指してください!(第2弾はこちら!

■初級編(幼稚園~小学校低学年=各10点)

問1の答え  C うま

 五輪で唯一、動物が出場できる競技は馬術です。馬術には障害を跳び越える「障害馬術」、動きの正確さと美しさを競う「馬場馬術」、この2種目に自然の中を走るクロスカントリーを合わせた「総合馬術」の3種類あり、1900年のパリ五輪で初めて実施されました。この競技では人だけでなく馬も国を背負う代表なので、「代表選手」と呼ばず、「代表人馬」と呼ぶそうです。

問2の答え  B つなひき(綱引き)

 運動会でよく見かける綱引きは、1900年パリ五輪で始まり、1920年アントワープ五輪まで行われていました(戦争により中止となった1916年ベルリン大会を除く)。

 ちなみに、近代五輪の父・クーベルタンの名言とされる「勝つことではなく、参加することに意義がある」は、この綱引きが元で生まれた言葉なんです。

 1908年のロンドン大会で英国と米国が綱引きの勝敗を巡って紛糾したのですが、勝敗にこだわり、対立する両国を憂慮したタルボットという主教が大会期間中にロンドン市内の教会で「五輪の理想は人間をつくることであり、五輪に参加することは人とつきあうこと、すなわち世界平和の意味を含んでいる」と諭したそうです。これを聞いたクーベルタンがとても感動し、英国主催の晩さん会でこの言葉を引用してあいさつ。世の中に広まっていったそうです。綱引きがなければ、五輪を代表する名言は生まれなかったとは面白いですね。

問3の答え  A トーチ

 トーチとは「たいまつ、かがり火。先端に火を付けて明るく照らすもの」という意味。聖火リレーで使うトーチは各五輪で異なり、今回の東京五輪で採用されたトーチは日本人らしく、桜の花びらをイメージして作られました。

 あまり知られていませんが、リレーを走った人は記念にトーチを購入することが可能です。残念ながら、聖火リレーは今、中止になっていますが、今回の値段は7万1940円で設定されていました。
ちなみに聖火リレーが初めて行われたのは、1936年のベルリン五輪。当時のドイツはナチスの政権下で国威発揚、つまり、国の威信を示すために行われました。


■中級編(小学校高学年~中学生=各10点)

問4の答え  A 食器

 ボールを挟むときに、人さし指と中指で食器のフォークのように突き刺すからです。

 日本で最初に本格的なフォークボールを投げた元プロ野球・中日の杉下茂投手は明治大時代に野球部の先生から「フォークボールという落ちる変化球がアメリカにはある。フォークみたいに2本の指で刺すんだ」という言葉だけをヒントにフォークボールを会得したのだそうです。1948年のことでした。米国でフォークがいつから投げられていたのか、詳しい記録は残っていませんが、米国では1920年代には投げられていたようです。

 ちなみに今の米球界ではフォークはひじに負担がかかると敬遠され、フォークよりも浅く挟む「スプリット」が主流。フォークを投げる投手はあまりいないので、日本の投手が投げるフォークは大リーグでは有効な決め球になっています。

問5の答え  B 図形

 フィギュア(figure)とは図形のこと。元々は氷上に図形を描いて滑走する競技だったことから名付けられました。

 元々、フィギュアスケートは音楽に合わせて滑る「フリー演技」と「コンパルソリー(規定)」の2種類がありました。「コンパルソリー」とは、スケート靴の刃で氷の上に8の字など幾何学的な図形をいかに正確に描くかを競うもの。だから、フィギュア(図形)スケートと呼んだのです。

 コンパルソリーはフリーに比べて、地味だったため、テレビ映えもしないこともあり、1990年の世界選手権を最後になくなってしまいましたが、そのままの名前を今でも使っているのです。

問6の答え  A ペリー

 日本プロボクシング協会のホームページには、日本のボクシングは1921年12月に渡辺勇次郎が東京・下目黒に「日本拳闘俱楽部」を設立したことが始まりとするのが定説としながら、それより以前に日本でボクシングが目撃された史実が書かれています。

 それがペリーです。1853年に浦賀に来航したペリー提督は黒船に多くの水兵を従えていました。その際、船上で水兵たちが拳に薄皮布を巻いて殴り合う様子が多くの日本人に目撃されており、同協会はそれが日本に伝えられた最初のボクシングだとしています。

 ちなみに、ペリー提督が横浜で幕府に和親条約締結を迫った際、幕府側が集めた力士と異種格闘技戦を行ったそうです。歴史の教科書に載っている意外な人物がボクシングに関わっていたとは驚きです。


■上級編(高校生~大人=各10点)

問7の答え  B 赤色

 柔道の帯は級や段によって色分けされています。少年と成年で違いがありますが、例えば、成年では以下のように色が決められています。

白 (初心者および4~5級)
茶 (1~3級)
黒 (初~5段)
紅白(6~8段)
赤 (9~10段)

 なぜ、黒帯以上があまり聞かれないかというと、6段以上は実力のほか、年齢や貢献度が取得条件に含まれており、条件を満たすことが厳しいためです。赤帯は日本人では安部一郎さん、醍醐敏郎さん、大沢慶己さんらが知られています。
 

問8の答え  C 剣道の二刀流

 大学生以上の剣道の公式戦では、竹刀を2本使う二刀流が許されています。二刀流は試合条件が異なり、不公平になるとの理由から全日本学生剣道連盟が戦後、禁止していましたが、1992年に解禁となりました。

 ただし、普通の竹刀を2本使うことはできず、大小の竹刀を用います。全日本剣道連盟のサイトによると、二刀の男性の場合、長さは大刀(たち)が114センチ以下、小刀が62センチ以下などと細かく決められています。二刀流といえば、江戸時代の剣豪・宮本武蔵が有名ですが、剣道の世界には今も武蔵の剣術が生き続けているのです。

 ちなみに、Aの野球の1日2試合は「ダブルヘッダー」といい、Bの車いすラグビーは1チーム4人でプレーするので、間違いです。

問9の答え A:12人 B:5秒 C:4回

 小学校の授業で行うイメージのドッジボールには公式ルールが存在し、日本ドッジボール協会がさまざまな規約を定めています。

 それによると、1チームは12名以上20名以下で、試合は12人対12人で行うこと。また、ボールを取ってから5秒以内に投げなければいけない「キープ・フォー・ファイブ(5秒ルール)」や、パスは4回までで5回目には攻撃しなければならない「ファイブパス」というルールが明記されています。

 日本代表もいて、ワールドカップも行われているそうですよ。


■最上級編(1~5が各1点、6が5点)

問10の答え

①おりひめジャパン ⇒ C ハンドボール女子

 2013年に公募で決定。ハンドボールは1チーム7人でプレーするため、「7」から「七夕」、「七夕」から「おりひめ」を連想。織り姫が優雅に天の川を渡るように、日本代表が世界に華麗に羽ばたくことを願って付けられました。

②トビウオジャパン ⇒ A 競泳

 2009年に親しみやすいイメージによるファン拡大を狙って命名。大海を跳ぶ姿に世界へ飛躍するイメージを重ねたのと、「フジヤマのトビウオ」と称された名選手・古橋広之進さんにもあやかったそうです。

③バードジャパン ⇒ A バドミントン

 2019年に命名。日本代表がさらなる高みに飛躍する願いとともに、競技が「空中戦」であること、球技の中で唯一、羽根を球にしていることなどを理由に名付けられました。

④スマイルジャパン ⇒ C アイスホッケー女子

 ソチ冬季五輪を翌年に控えた2013年、日本アイスホッケー連盟が命名。由来は、ピンチでも笑顔を絶やさずに楽しんでプレーするチームの特徴から。

⑤雷神ジャパン ⇒ C 空手

 2015年に全日本空手道連盟が決めました。稲妻の光が空手の突きや蹴りのスピード感に通じることや、英語で太陽が昇ることを意味する「ライジング」に掛けて。

⑥ゴジラジャパン ⇒ B 柔道

 2019年3月に全日本柔道連盟が命名しました。日本発祥の伝統や力強さのイメージがゴジラと共通点があったことや、全柔連の選手の映像分析システムの通称が「ゴジラ」だったためです。ただ、女子選手の反応がいまひとつだったからか、「ゴジラジャパン」は2019年いっぱいで終了。現在は使われていない、激レア○○ジャパンになっています。

 さて、いかがでしたか? 答えの部分にはちょっとしたトリビアを記しておいたので、お子さんに説明してあげると喜ぶのではないでしょうか。得点は70点以上を想定して作りましたが、柔らかい問題に仕立てたので、現役の運動部記者でも全問正解は難しいかもしれません。特に問10は以前、本紙(中日新聞社)の入社試験に出題した問題をさらに練り上げた自信作です(笑)。最後の「ゴジラジャパン」は難問中の難問として、ラストを締めてもらいました。

 残念ながら、新型コロナとの闘いは長期戦になりそうです。息が詰まる生活の気分転換として、今回のクイズを親子で楽しんでいただけたのなら幸いです。

〈動画版はこちら〉

学校や子供会でも楽しんでくれた人が多かった今回のクイズ。第2弾を2023年3月20日に公開しました。こちらも、ぜひどうぞ!

大好評のスポーツクイズ第2弾! 全10問に親子&教室でチャレンジ、何点取れるかな?〈アディショナルタイム〉

「アディショナルタイム」とは、サッカーの前後半で設けられる追加タイムのこと。スポーツ取材歴30年の筆者が「親子の会話のヒント」になるようなスポーツの話題、お薦めの書籍などをつづります。

コメント

  • 全部正解
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  • オリンピックで綱引きをやっているなんてすごい
    ドラえもん --- ---