〈中倉彰子さんの子育て日記〉46・「考える力」ママたちも長考
お母さんが主役
先日、地元の東京都府中市で「考える力を育む子育てとは」というテーマで、2回にわたり講座を開きました。
私は「考える将棋の勧め」「考えることが楽しいと思える子に育てるには」という観点からお話しさせてもらいました。講義の他に、参加者同士の話を通して、いろいろな考え方や視点・方法に触れることが大事と思い、たくさんのワークショップを試みました。「参加者のママさんたちと一緒に、考えていきましょう!」というのが今回の狙いだったのです。
例えばブロック玩具などを使って、テーブルを囲んでもらいました。普段はママさんはお片付けをするばかりのオモチャですが、この時ばかりは「お母さんが主役」。「考える力」をフル活用してもらい、将棋の駒積み競争も挑戦してもらいました。
「初めての人同士で大丈夫かな」との心配には及ばず、お母さんたちのコミュニケーション能力はすごく高くて、すぐにお隣同士でお話ししてくださいました。ワークが進むにつれて、会話が弾んでいきました。
共通の悩み
1回目の講座では、簡単な将棋ゲームを紹介してご自宅でお子さんとやってもらったのですが、2回目の感想では「3歳の子どもとできました」という発表を聞いて驚いたり、「子どものほうがよく将棋を知っていて、今までに見たことがないイキイキとした表情で私に教えてくれました」とうれしそうに発表してくれたママさんもいたり。改めて将棋は家族で楽しめるものなんだなぁと、発見がありました。
私も子育てを見直す良い機会になりました。参加者の方から「他のお母さんたちの話を聞くことができて興味深かった」という感想もいただきました。「そうそう、他の家庭も同じ悩みがあるのね」と知るだけでも、心が軽くなったりするものですよね。
さて、お母さんの共通の悩みとして、いよいよ始まる子どもの夏休みの過ごし方もあるのではないでしょうか…。シンは早くもセミの脱皮後の抜け殻を近所の公園の木で見つけて目をキラキラさせています。今夏もセミ捕りに夢中になりそうな予感です。
長女のマイはバレーボール。次女マキはというと…。「寝坊ができる~!」とカレンダーを見て心待ちにしている様子。マキが今夏、夢中になれることを探したいものです。(プロ棋士)