僕は絶対ペンギンの飼育員になる! 子どもの夢を応援する企画が墨田区でスタート

長竹祐子 (2021年3月2日付 東京新聞朝刊)

水族館のスタッフ(右)から、生き物が食べるものを学ぶ土橋くん(左)と妹=墨田区で(区提供)

 「声優になりたい」「足が速くなりたい」。コロナ禍に直面し、さまざまな行事が中止になるなど活動が制約されている小中学生の夢や希望を募集し、地域の大人たちが応援する企画が東京都墨田区で始まった。第一弾は「ペンギンの飼育員になりたい」という小学6年生の男子児童の夢が、地元のすみだ水族館の協力を得て1日飼育員体験として実現した。 

4校から95件の応募 地域の大人が協力

 企画したのは、墨田区立文花中学校区の町会やPTA、民生委員らでつくる「文花中地区青少年育成委員会」。20年前から、地域で交流する「文花中地域ふれあいまつり」を毎秋開催してきたが、本年度はコロナの影響で中止に。「代わりにできることは」と、文花中の生徒会と同委員会で考え、皆が集わなくても楽しめる「夢の実現応援」の案が採用された。

 第四吾嬬(あづま)小、曳舟(ひきふね)小、押上小、文花中の計4校で夢や希望を募ると、2カ月で95件の応募があり、手伝いや橋渡しなどをする大人の協力を地域で呼び掛けた。

フットサル選手と交流、犬の散歩体験も

 ペンギンの飼育員になるのが夢で応募したのは、曳舟小6年の土橋優人さん(12)。2月28日にすみだ水族館を家族と訪れ、飼育スタッフに教わりながら、ペンギンの観察や食べた量の調査などを体験した。土橋さんは「最高の思い出。たくさん勉強をして、僕は絶対にペンギンの飼育員になる」と喜んだ。

 今後、プロフットサル選手との交流や、犬の散歩体験も企画しているという。育成委員会の田口武司委員長(75)は「地域の力で実現できた。今後は区全体に広げてみたい」と期待を話した。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年3月2日