ランドセルを寄付しませんか きれいにして新1年生に販売、ひとり親家庭に笑顔を 荒川区の子ども食堂が「ぐるぐるランド」

(2022年3月27日付 東京新聞朝刊)

集まったランドセルを手に「元の持ち主の思いも引き継ぎます」と話す南谷素子さん=荒川区で

 使わなくなったランドセルの寄付を受け、きれいにして販売する取り組み「ぐるぐるランド」を、東京都荒川区の子ども食堂が行っている。卒業シーズンを迎え、「こども食堂サザンクロス」代表の南谷素子さん(57)がランドセルの提供を呼びかけている。

不登校の小中高生たちもクリーニング 

 南谷さんは、食堂の運営費を捻出しようと、一昨年、石川県内でランドセルリサイクル活動をしている人に、つてをたどって集めた数個を預け、1個あたり500円ほどを得た。一方で「運営費にするだけでなく、もっと地域に還元したい」との思いも抱くように。

 そこで昨年は、荒川区社会福祉協議会や区PTA連合会の協力を得て、3月末で70個を集めた。南谷さんは、自宅を開放して不登校の小中高生の居場所づくりもしており、参加者らに手伝ってもらい革用クリーナーなどでランドセルの背面をクリーニングした。

 きれいになったランドセルを、ひとり親家庭向けに食品を提供する荒川区内のフードパントリーに出品したところ、6個が新入学児の手元に渡った。新入学の1年以上前からランドセルを準備する「ラン活」が盛んな世の中で、入学の2、3カ月前にお下がりのランドセルを手に入れ、ほっとした表情を浮かべるひとり親家庭の実情も見えてきた。

ランドセルをきれいにする中学生。南谷さんによると、体験を夏休みの自由研究にまとめてくれたという(南谷さん提供)

「次の子どもの背中で新しい思い出を」

 今後は、賛同者の協力で体操着や上履きを入れる袋をセットにしたり、民間の助成を受けて海外にランドセルを送ったりする活動も行っていく。

 「6年間の思い出が詰まったランドセルを再利用することで、次の子どもの背中で新しい思い出を刻むことができる」と南谷さん。汚れや傷みの激しいランドセルは引き取らない。問い合わせは荒川区社会福祉協議会=電話03(3802)3338=へ。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年3月27日