ランドセルが買えなくて… 低所得のひとり親家庭 平均年収212万円、23%が預貯金ゼロ

上坂修子 (2019年11月6日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」(東京)が低所得のひとり親家庭に支給される児童扶養手当の全額支給の対象者(子ども1人の場合、就労所得160万円未満)にアンケートした結果、働いている人の8割近くが非正規労働に就いていた。5割以上が生活費のために借金しており、低賃金で教育費などの確保に苦労している実態が浮き彫りとなった。

「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子さん(右)らが意見交換した院内集会=5日、東京・永田町で

NPO調査 8割が非正規、半数以上が借金経験

 対象者の8割以上の親が働いているが、正社員は19%にとどまった。パート・アルバイトが最も多く56.4%、契約・派遣社員は21%、フリーランスを含む自営業は3.5%だった。

 現在の預貯金額について聞いたところ、預貯金はゼロと答えた人が最も多く、23.1%に上り、30万円未満の世帯は56.6%。親族や友人、消費者金融などからお金を借りた経験がある世帯も56.6%だった。

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 平均年収は212万2000円にとどまる。「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」は低所得のひとり親世帯への支援として、小、中、高校、大学などに入学する子どもに1人3万~4万円の入学祝い金を支給している。

入学祝い金に喜びの声「声を上げて泣きました」

 入学祝い金を受け取った高校生からは「新しい制服を初めて着ました。とてもうれしい」と喜びの声も寄せられた。小学校に入学した子どもの親には「ランドセルを買ってあげられないことが情けなくて。世の中の誰かが助けてくれたことに感謝し、声を上げて泣きました」と感謝された。

 「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の赤石千衣子(ちえこ)理事長は「入学祝い金の支給が子どもの健全育成やひとり親世帯の孤立防止に成果を上げている」と指摘。「困難を抱えるひとり親世帯の状況をより深く知ってもらって解決に結び付けていきたい」としている。

 調査は5月中旬から7月末にかけて実施。469世帯、527人の保護者と子どもが回答した。

 ひとり親世帯を支援するシングルマザーサポート団体全国協議会は5日、国会内で集会を開き、児童扶養手当の拡充や養育費未払い問題の早期解決を求めた。

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