小1担任が授業中のトイレ使用を強く叱責 「先生が怖い」複数児童が失禁…3人が不登校に つくば市教委が不適切指導認める

青木孝行 (2023年10月17日付 東京新聞朝刊)
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担任教諭の不適切な指導で複数の児童が一時登校できなくなった竹園東小=茨城県つくば市で

「体罰に近い」 1人は転校

 茨城県つくば市立竹園東小学校で、1年生担任の40代の女性教諭が児童のトイレ使用を強い口調で指導し、児童3人が一時登校できない状態になっていたことが、学校やつくば市教育委員会などへの取材で分かった。1人は転校を余儀なくされた。市教委は不適切な指導があったと認め「(言葉による)体罰に近い」との認識を示した。

「みんなの前でお漏らしは嫌だよね」

 つくば市教委などによると、担任教諭は4月中旬ごろ、授業中に無断でトイレに行った児童を「どこに行っていたの。勝手に行ってはだめでしょ」などと厳しく叱責(しっせき)。その後、トイレに行きづらくなった複数の児童が失禁。2日連続で失禁した児童が保健室に行った際は、他の児童に「みんなの前でお漏らしするのは嫌だよね」などと発言した。

 児童らは「担任の先生が怖い」と保護者に訴えていた。登校できなくなった児童の保護者の1人が5月、学校側に「クラスを変えてほしい」と求めたが受け入れられず、別の市立小へ転校せざるを得なくなった。市教委はこの保護者の情報などから、他にも登校できなくなった児童がいることを把握したという。

教員不足 研修を受けさせて復職へ

 市教委によると、担任教諭は心身の不調を訴え、7月13日から療養休暇に入り、現在は休職中。担任は教務主任が交代した。

 この教諭への今後の対応について、市教委の山田仁巳(ひとみ)・学校教育審議監は取材に「市立小中学校の教職員はぎりぎりの人手で運営している。大切な人材で、体調が戻ったら研修を受けさせたい」と述べ、復職させる意向を示した。市教委の方針に、被害児童の保護者は「教諭の復職は、全校の保護者に説明した上で慎重に考えていただきたい」と要望した。

校長「口調が強いと引き継ぎあった」

 竹園東小学校によると、この教諭は2019年度に着任し、これまで2、4、6年の担任を経験。今年4月から1年のクラスを受け持ち、学年主任も務めていた。2022年度に赴任した皆川正美校長は取材に「前任の校長から『口調が強いことがあるので、よく見守ってください』と引き継ぎがあった」と説明した。

 今回の事案については、「担任の不適切な指導だったと考えている。強い口調で子どもたちに『怖い』という感情を抱かせ、心に寄り添っていない。子どもたちに申し訳ない」と謝罪。「いろいろ考え、適正だと思って1年の担任に配置したが、今思えば他にも方法があったかもしれないと反省している」とした。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年10月17日

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  • 匿名 says:

    授業中にトイレに行き、その間に地震があったらどうするの?
    勝手に学校を抜け出し、事故や事件に巻き込まれたら?

    私は教員ではないので知らないのですが、その場合の責任が担任にあるなら、この教諭単独の問題ではなく、システムの問題でしょう。

    もしそうなら、いくら研修しても意味がなく、予算をつけて人員を配置しないと再発防止とは言えないと思います。

     無回答 無回答
  • たかお says:

    小学1年生の教室はトイレに近いところに配置されているのでしょうか?最初に補助でどなたか教室に入ることはないのですか?突然黙って出て行かないよう何か約束事はしていなかったのでしょうか?帰ってきた児童に「どうしたの、もう大丈夫?」と普通に聞かなかったのでしょうか?など数々の疑問がわいてきます。

    相手が中学生であっても、トイレに関しては、他の人にできるだけ聞こえないようそっと対応しますね。大きな声を出せば良いというものではありません。自分の言動と招いた結果に真摯に向き合って欲しいです。

    たかお 無回答 60代
  • たま says:

    小学校時代の私を嫌って嫌味を何時も言ってた女性の担任を思い出しました。当時は今ほど、親が強くもなく、学校はかならず行くものとされたので、その担任が産休で交代するまでは辛かったです‥。

    今は親が強いので改善されたり出来るので、そんな先生は復帰させないでほしいですね!

    たま 女性 50代
  • タヌキ says:

    同じ県内で小1の母です。

    このニュースを70代の元教員にも話したら、少し言われたくらいで来なくなるのはちょっと弱いという話をしていました。社会に出たらいろいろあるんだからこれくらいでねーとか。

    私からしたら何とんちんかんなこと言ってるんだかと思います。幼稚園や保育園から上がってまだ数ヶ月なのにいきなり厳しく言われたら嫌になりますよね。

    研修を受けてその先生は変わる可能性はあるのかもわかりません。復帰ありきで話をすすめないでほしいです。

    タヌキ 女性 30代

    すくすく編集チームの安藤美由紀です。記者の子ども(小3)の隣のクラス担任も言葉遣いが悪くて子どもたちが怖がっていましたが、複数の親が学校に相談してだいぶ改善されたそうです。復帰ありきの研修では困りますが、この40代女性教諭も自分で変われると信じたいです。

  • さくら says:

    隣接校区の父兄です。数か月前まで幼稚園生。重いランドセルで登下校し、授業の準備や切り替えなど、慣れるのに精いっぱい頑張っていたと思います。入学間もない子に対してなんという心の傷、ダメージを与えてしまったんでしょう! 転校せざるを得なかったお子さんの受けたショックは相当なものだったでしょう。精神的なケアは必須です。

    私はのんびり娘の行動の遅さが心配で入学する前に小学校に下見に行った際、当時の校長先生が対応してくれました。校長は小1の児童の一学期の目標は「休み時間の10分で教科書を片付けて次の授業の準備をするのも精いっぱい。そのうえ教室から離れたトイレにいって済ませて席に戻ってこれるかは個人差が非常に大きい時期ですので、まずは生活リズムと登下校の環境に慣れることに専念しましょう。」と言ってくださってホッとしたのを覚えています。

    こういう時に当事者の教師自身は対応に対して真摯に向きあうことを避けて病欠で長期休養を取るパターンが目立ちますね。「教員が足りなくて大切な人材」と暗に教師を守るような表現で公に言ってのける現場の甘さが伝わりました。

    子どもが学校に行けなくなることがどれだけ大きなサインか、学校現場はしっかり被害児童に向き合うべきです。

    さくら 女性 40代

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