卒業式マスクなし容認 厚労省の専門家有志 校歌も「一生に一度という合意ができれば」

榊原智康 (2023年2月9日付 東京新聞朝刊)
 学校の卒業式や入学式といった式典でのマスク着用を巡り、新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省の専門家組織の有志らが8日、地域での流行が落ち着いていることを条件に、マスクなしでの参加を容認する見解を公表した。 

地域での流行が落ち着いていれば

 学校でのマスク着用は感染リスクを減らす効果があるとしたうえで「一生に一度の行事である卒業式や入学式でマスクを外して参加したい気持ちも理解できる」と指摘。感染が落ち着いていれば「参列者がマスクを着用しなくてよいことも考慮されうる」との見解を示した。

 一方で、マスクを着用しない際は、「体調に不安がある人は参加を控える」「参列者同士の距離を空ける」「十分に換気する」「近くで会話する機会を慎む」―ことが求められることを強調した。着けるかどうかは本人の意思を尊重し、参列者が納得した上で参加することが望まれる―と提言した。

 脇田隆字座長は記者会見で、式典で校歌などを歌う際は「マスク以外の感染対策を実施した上で、一生に一度の機会だからマスクを外してやろうと(参加者で)合意ができれば、そうする選択もあり得る」と述べた。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年2月9日