「禁忌」の鎮静剤を大量投与、2歳男児が死亡 東京女子医大を提訴した両親「悔しい」

木原育子、奥村圭吾 (2020年2月21日付 東京新聞朝刊)

亡くなる前日、まぶたが腫れるなど全身がむくんだ状態となった孝祐君(遺族提供)

 東京女子医大病院(新宿区)で2014年、鎮静剤「プロポフォール」を大量投与された後に死亡した孝祐(こうすけ)君=当時2歳10カ月、埼玉県在住=の両親が、病院の医師らに損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が20日、東京地裁であった。両親が出廷し「孝祐に会いたい」と悲しみを訴えた。

成人の2.7倍量のプロポフォールを投与され…

 21日で孝祐君の死亡から6年となる。訴状によると、孝祐君は2014年2月18日、東京女子医大病院で首の良性腫瘍の手術を受けた。手術後の集中治療室(ICU)で、人工呼吸中の子どもへの使用が「禁忌」とされるプロポフォールを3日間で成人許容量の2.7倍を投与され、その後死亡した。

 法廷で母親(40)は、手術前の孝祐君の様子を「『あごの膨らみを治してもらおうね』と説明すると、小さなこぶしを上げてエイエイオーと言っていました」と振り返った。

両親の愛情を受け、すくすく成長していた孝祐君(遺族提供)

術後の安全管理を怠った疑い 警視庁が捜査中

 父親(50)は「6年前の今日、孝祐の症状がどんどんひどくなっているのに医師は何もしてくれなかった。助けてやれなかったことが悔しい」と声を震わせた。

 一方、手術を執刀した耳鼻咽喉科の男性医師は「担当によっては得意としないこともあるため、(患者の)全身管理はICUを中心にやっていた。何か異常があれば、ICUから連絡が来ることになっていた」と主張した。

 孝祐君の死亡を巡っては、病院側が術後の安全管理を怠った疑いがあるとして、警視庁が業務上過失致死容疑で捜査している。厚生労働省は2015年6月、東京女子医大病院について、高度医療を提供する特定機能病院の承認を取り消した。