子育て世代は親の運転をチェックしよう 専門機関「家族だけで悩まず相談を」

福岡範行
 高齢ドライバーの事故防止に向け、警察は運転に不安を感じた高齢者らに運転免許の自主返納を促している。ただ、高齢者自身が認知機能や身体機能の低下を自覚していなかったり、車が生活に不可欠だったりして、返納に踏み切れないケースも目立つ。

家族との感じ方の差を知ることが大切

 認知機能低下と運転との関係に詳しい高知大医学部の上村(かみむら)直人講師は、高齢ドライバー本人だけでなく、家族に運転をチェックしてもらうことを推奨。「家族との感じ方の差を知ることが、認知機能低下などの早期発見につながる。家族で話題にしてほしい」と促す。

 国立長寿医療研究センター長寿政策科学研究部(愛知県大府市)はホームページで「認知症高齢者の自動車運転を考える 家族介護者のための支援マニュアル」のPDFファイルを公開。免許返納を促す際のポイントや主な相談先などを掲載している。執筆した荒井由美子部長は「認知症かもしれないと心配になったら、家族だけで悩まず、周りに相談してほしい」と呼び掛けている。

 警察庁によると、75歳以上の運転免許保有者は年々増え、昨年末時点で約563万人。保有者全体の約6.8%を占める。