〈えほん〉「ぼくは犬や」作・ペク・ヒナ 訳・長谷川義史
長壁綾子 (2020年6月12日付 東京新聞朝刊)
人はぼくを「グスリ」と呼ぶんや。数年前、パンウリというお母ちゃんが4番目に産んでくれた。おっぱいから離れた時、このうちにやって来た。
おとうちゃん、おばあちゃん、ドンドン。人間というのは、なんて身勝手なんだ。特に、ドンドンは6歳だというのによく泣くし、こけるし、おねしょもする。ぼくがずっと面倒みたらなあかんか。
表情豊かな人形は「人形いたずら作家」の著者がシーンごとに制作。関西弁の翻訳も絶妙! クスッと笑えて、ほろっと泣ける。犬目線で語られる家族の物語。
1540円。ブロンズ新社=電話03(3498)3272。