「保育の質は低下しています」井上さく子さん(保育環境アドバイザー)

 保育の世界は今、大きく揺らいでいます。保育園がどんどん増える一方、保育の質は低下していると感じます。東京の公立保育園で38年間保育士として働き、今も各地の園を支援していますが、幼子と向き合うと、20年後この子達はどうなっていくのかと案じます。

 私は、指示や命令、禁止をしない保育を実践し、伝えています。保育士もパパ、ママも、地域で子育て支援にたずさわる人たちも、今こそ子ども一人ひとりを大切にすることの重要性に気付いてほしい。「東京すくすく」でもそのことを発信し、子どもを取り巻く社会を変える力になっていってほしいです。

いのうえ・さくこ

1953年、岩手県遠野市生まれ。目黒区立の保育園で38年間勤務し、区立ひもんや保育園長を最後に退職。現在は、保育環境アドバイザーとして研修会や講演会を多数行う。

 東京新聞の子育てサイト「東京すくすく」のスタートにあたり、日ごろ子どもたちとかかわったり、子育てを支えたりしているさまざまな分野の方たちからメッセージをいただきました。