「くまの子ウーフ」作者の神沢利子さん、三鷹図書館で96歳の誕生会 出版50年の記念展示も

花井勝規 (2020年1月26日付 東京新聞朝刊)
 

ウーフのぬいぐるみの横で、子どもたちに読み聞かせをする神沢利子さん=三鷹市の市立三鷹図書館で

 東京都三鷹市在住の児童文学作家、神沢(かんざわ)利子さんの96歳の誕生日を祝う会が25日、市立三鷹図書館であり、ファンや市関係者ら約80人が参加した。同館では、代表作「くまの子ウーフ」(1969年)の出版50周年を記念した展示会「神沢利子さんのおくりもの」も開かれている。2月2日まで。

神沢さんの代表作「くまの子ウーフ」

「こんなに長生きするとは思わなかった」

 実際の神沢さんの誕生日は29日だが、多くのファンや子どもが集まりやすい日を選び、前倒しした。

 祝う会で神沢さんは子どもたちから花束を贈られ「こんなに長生きするとは思わなかった。皆さんに祝ってもらってうれしい」と謝辞を述べた。司会から前日にひ孫が誕生したことが紹介され、拍手が送られた。

 河村孝市長から絵本を活用した特色あるまちづくりを目指す「みたか・子どもと絵本プロジェクト」の名誉顧問への委嘱状が手渡された。

子どもたちから花束を贈られた神沢利子さん(右から2人目)

ウーフの直筆原稿やスケッチなどを展示

 くまの子ウーフは、主人公のウーフが日常の生活の中で生じた疑問に自分自身で答えを見つけていくストーリー。挿絵の愛らしいつりズボン姿も人気の一つで、国語の教科書にも掲載されたほか、海外でも翻訳された人気作品だ。

「神沢利子さんのおくりもの」で展示されている直筆のメッセージ

 展示会では、神沢さんが2017年に直筆原稿やスケッチ、挿絵の原画など約700点を三鷹市に寄贈したものの中から「くまの子ウーフ」と、同じく出版から50年が経過した「ふらいぱんじいさん」の関連資料を中心に展示している。

「神沢利子さんのおくりもの」展で展示されている貴重な直筆原稿=いずれも三鷹市立図書館で

 入場無料。問い合わせは三鷹図書館=電話0422(43)9151=へ。 

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年1月26日