失敗続きのトイレトレーニング…「プリンセス作戦」が効いた!〈古泉智浩さんの子育て日記〉23

(2021年5月21日付 東京新聞朝刊)

公園で遊ぶぽんこちゃん(手前)と兄のうーちゃん

キティちゃんのシール作戦は失敗

 3歳の里子のぽんこちゃんは、オムツがなかなか取れません。トイレで用を足したら台紙にキティちゃんのシールを貼る作戦に出たところ、ただ単にトイレでシールを貼るだけの遊びになり、失敗に終わりました。しかし、保育園ではパンツで過ごしています。朝のズボンがきれいなままで帰宅する日もあります。

 「ぽんこちゃん、おしっこ出そうになったら、おしっこ出るって言うんだよ。おしっこ出そうになったらなんて言うの?」「おしっこでる」「そう!」

 このような練習も何度も何度も繰り返しましたが、一向に教えてはくれず、「おしっこでた」という事後報告ばかりです。うんちをしてしまうこともあり、何枚ズボンがあっても足りません。ほとほと疲れてしまい、保育園から帰宅したらオムツをはかせることにしました。

トレーニング用パンツ作戦も不発

 トイレトレーニング用の、おしっこをするとぬれた感覚になるオムツを試してみました。いつもの白いオムツと違ってピンクのトレーニング用オムツはぽんこちゃんのお気に入りで、寝る時まではきたがります。ところが、そのオムツがぬれても全く嫌がらず、ずっとはいたままで平気でいるので何の効果もありません。単にピンクのオムツで喜んだだけでした。

 園ではトイレでしているので、家でも気持ちを切り替えるだけでできるはずなのです。どうしてパンツやオムツでしてしまうのでしょう。親の言いなりになりたくないという反抗心でしょうか。

「エルサみたいなプリンセスに…」

 「わたし、エルサみたいなプリンセスになるんだ」「オムツにおしっこしてたらプリンセスになれないよ。ちゃんとトイレでしようね」。そう言っていたら、いつの間にか「トイレでおしっこしたらプリンセスになれるんだよね」と論理が飛躍していました。

 数日後の夜、「オムツしてても寝る前にトイレでおしっこするんだよ」とダメ元で言うと、「ひとりでする。パパはこないで」。ぽんこちゃんが一人でトイレに行って、本当に自分でおしっこをしました。「おしっこが出そうになったら教える」を飛び越えて自分でしたのです。

 翌朝には「うんちがでる」と教えてくれたのですが、ママが用を足していたため間に合わずオムツにしてしまいました。オムツを卒業すると、オムツかぶれもなくなるし、ゴミが減り、オムツを買い足す必要もなくなり、大助かりです。オムツの夜明けが近づいています。 (漫画家)