〈中倉彰子さんの子育て日記〉53・卒園…そしてシン1年生
11年の保育園送迎生活、卒業
先月、末っ子のシンが、無事保育園を卒園しました。長女のマイが入園してから、合わせて11年。これで私も保育園の送迎生活を卒業です。感慨もひとしおですが、寂しさも感じます。
マイの慣らし保育の初日、不安でドキドキしながら8カ月の子を先生に託したことを思い出します。卒園式の所長先生のごあいさつで「保護者の皆さん、雨の日も風の日も、そして自分の体調が悪い日でも、毎日送迎をしてくれましたね」という言葉にジーンとしました。そうだね、私よくがんばったぞと。
もちろん私1人ではなく、周りの方に助けられ、支えられてきたおかげで、ここまで来ることができました。集団で何かをするのがイヤで、先生にしがみついて、お遊戯に参加しなかった3歳のころのシン。先生は無理強いせずに、「気が向いたらでいいよ…」と、ずっと温かく見守ってくれました。いつもシンの自信になるように励ましてくれた先生たちは「シン君なら小学校に行っても大丈夫!」と最後も、優しく送り出してくれました。いつまでもいつまでも、保育園の楽しい思い出が残っているといいなぁ。
玄関に3つのランドセル
さて、新しく始まった小学校生活。入学式の日、校舎の前で受け付けを済ますと、新1年生を教室に案内するために、6年生が待っていてくれました。「ママも一緒に来て」と不安そうなシン。「ここでバイバイだから」と、半ば無理やり手を離しました。私も少し不安でしたが、体育館で隣の子と手をつないで入場した姿を見て、緊張しながらもワクワクしているような表情で、ホッとしました。
翌日からは、きょうだい3人での登校。学童保育では上級生とも一緒です。「うまく溶け込んでくれるといいけど」と心配しました。夕方迎えに行き「どうだった?」と聞くと「お友達と将棋指した!」との答え。人一倍甘えん坊のシン。大好きな将棋が、新しい世界になじむきっかけになってくれればいいな、と思いました。
夜、「明日のシンの学校の準備は私に任せて!」と次女のマキ。マキは準備・宿題をなかなかやらず、ずっと頭を悩ませてきました。そんなマキが、頼もしくシンのお世話。小学校の先輩として、自身の準備も、キチンとしてくれるといいのですが。
何かと慌ただしい新年度ですが、玄関に並んだ3つのランドセルを見て、「さぁ、私も新年度がんばるぞ!」と気持ちを新たにしました。(プロ棋士)