都立高校入試にスピーキング 一般入試で全生徒対象は全国初 現在の小6から
石原真樹 (2019年2月15日付 東京新聞朝刊)
東京都教育委員会は14日、2022年度入学の都立高校入試から、英語を話す能力を測る独自のスピーキングテストを導入することを明らかにした。現在の小学6年生から対象になる。文部科学省によると、一般入試で全生徒を対象にスピーキングテストを実施している都道府県はないとみられる。
タブレット端末に解答を録音 「話す」技能を測定
受験生はヘッドホンとマイクを使い、タブレット端末に解答を録音する。テストは中学3年時の11月末~12月上旬の休日に、1人1回限りで実施。会場は大学など外部施設を利用する。約8万人がテストを受ける見通しだ。
中学の学習指導要領では英語の「読む・書く・聞く・話す」の4技能を総合的に養うとしているが、現行の都立高校入試では英語の読解と記述、ヒアリングの3技能を問う試験しか行われていない。
民間の資格試験実施団体などが問題作成
都教委は「外国の人とコミュニケーションが取れるよう、使える英語力を身に付けてもらう」(担当者)と新テストの狙いを説明する。試験問題の作成から会場の運営、採点まで、主に資格・検定試験の民間団体が担う。客観性は複数人で採点することなどで担保する。「塾で特別な準備をしなくても、授業をきちんと受ければ良い点数が取れる試験にしたい」という。
過去には岩手県が2004年度から3年間、対面形式で実施したが、負担が大きいとして取りやめた。