「行きたい学校」どうつくる? 国分寺で「夜スク」60人議論 新学期前の子どもの自殺「海外から見ても異常」
竹谷直子 (2019年9月4日付 東京新聞朝刊)
どうすれば子どもたちが主体的に学校で学びたいと思えるようになるかを考えるイベントが、国分寺市内の自然食レストラン「カフェスロー」で開かれた。このレストランは専門家や地域で活動する人を招き、さまざまなテーマで大人に学びの場を提供している。イベントは、不登校になる子どもが多いことへの疑問から企画し、市民らが教育問題に向き合った。
小学生の声を紹介「友達たくさん」「先生が怖い」
イベントは、夜のスクールを略して「夜スク」という。来年度に学習指導要領が改定され「主体的な学び」が盛り込まれることも開催の理由。
8月中旬、このレストランで小学生らが集まり「行きたい学校」と題して議論した。それを受け、募集に応じた地域住民や学校関係者ら約60人が参加した。
イベントでは、子どもたちが挙げた学校の好きなところ、嫌いな理由をベースに進行。「友だちがたくさんいる」という前向きな声の一方で「先生が怖い」「いつも先生に命令されているみたい」「宿題が多い」といった否定的な意見が目立ったことが紹介された。
校則全廃の校長「地域ぐるみで変える取り組みを」
参加者らは4~5人のグループに分かれて討議。「子どもたちには自由な選択肢がないのではないか」「子どもにかかわる大人に気持ちの余裕が必要」などと意見を交わした。
校則を全廃した世田谷区立桜丘中学校の西郷孝彦校長が、議論の後で講演し「2学期の前に、なぜ子どもの自殺が起きるのか、海外から見ても不可思議な日本の現状がある」と指摘。学校と保護者だけでなく地域ぐるみで取り組む必要性を説き「楽しい学校につくり替えていくべきだ」と呼び掛けた。