小5が父の命を救う 心臓発作→学校で学んだ胸骨圧迫で 横須賀の斎藤優輝君に市長感謝状
村松権主麿 (2019年12月10日付 東京新聞朝刊)
横須賀市消防局の「スクール救命教室」で学んだ蘇生法の胸骨圧迫を行い、心臓発作で倒れた父親の救命活動に協力したとして、市立田戸小学校5年の斎藤優輝君(11)に上地克明市長から感謝状が贈られた。
「早く戻ってこい」と念じながら続けた救命
優輝君は昨年6月、学校で開かれた救命教室で、心停止した人の血液を全身に送るための胸骨圧迫を人形で経験。今年7月30日夜、父の至弘(よしひろ)さん(42)が自宅で突然倒れると、心拍がないことを確認し、両手で胸骨圧迫を続けた。
すぐに妹の愛梨さん(9つ)が近くにあった至弘さんのスマートフォンのロックを解除し、母の弘子さん(41)が119番。通報から6分後に駆けつけた救急隊が救命措置を引き継ぎ、意識を回復した至弘さんは病院に搬送された。8月半ばに退院し、9月上旬に職場復帰したという。
感謝状は今月6日、弘子さん、愛梨さんと市役所を訪れた優輝君に贈られた。上地市長は「話を聞いて感動した。チームワークで救ったんだね」とたたえ、優輝さんは「『早く戻ってこい』と(念じながら)やった」と振り返った。