アサガオの鉢、プラスチックじゃなきゃダメ? サステナブルな学校教材を目指す保護者たちがオンライン調査
藤沢の砂浜にマイクロプラスチックが
小学校の生活科で取り組む、アサガオの観察。子どもが鎌倉市立腰越小学校に通う川田千代子さん(42)は昨年春、プラスチック製の鉢の一括購入を学校から説明され、「プラは使いたくない」と思った。
沖縄県出身。海が好きで「延々と貝を拾っている子」で、10代の一時期は毎日のように海に飛び込んで遊んでいた。10年前に藤沢市に引っ越し、サーフィンを楽しむ海辺の風景を「カラフルできれい」と思っていたが、子どもと出掛けるようになり、砂浜に目を向けて気付いた。「赤、青、黄色のマイクロプラスチックがこんなにたくさんある」
お下がりのコンパスはダメと言われた
環境について勉強し、プラを減らす暮らしを心掛ける中、子どもが学校で環境問題を学びながらプラの鉢を使うことに納得できなかった。ママ友に声をかけ、賛同してくれた11人の署名を添えて、自然界で分解できる素材の鉢への変更を提案する手紙を学校に出した。
発注済みのため変更はかなわなかったが、経緯をFacebookで発信すると共感の輪が広がり、保護者や市内外の教員、教材販売会社の社員らと任意団体「サステな学校プロジェクト」を立ち上げた。勉強会を重ね、上の子が使ったお下がりのコンパスではダメだと学校に断られて、同じコンパスを2度購入したなどの経験を語り合い、教材を一括購入する学校と、保護者が選べる学校があることなどを情報交換した。
「このままでいいの?」社会に問いたい
4月からの新年度を前に今月、公立小の保護者らを対象に、持ち帰ったアサガオの植木鉢をどうしているかや、教材の購入時に重視する点などを尋ねるアンケートをオンラインで開始。結果は教育委員会や教材メーカーなどに渡す予定だ。
市立山崎小の保護者の原由美子さん(41)は「みんな同じ教材でないと、先生の指導や会計が大変なことも分かるが、考えるきっかけにしたい」。腰越小の保護者で、同市のごみ問題を考えるプロジェクト「ゴミフェス532(ゴミニティ)」共同代表の平野リエさんは「『このままでいいの?』との疑問を社会に問い掛けたい」と話す。
アンケートや活動の詳細は「サステな学校プロジェクト」のサイトで説明している。