6年生の9割が「愛鳥博士」福生第五小に環境大臣賞 野鳥クイズや観察会が高評価
松島京太 (2023年1月13日付 東京新聞朝刊)
福生市立福生第五小学校は、小中学校や高校が自然保護活動の取り組みを報告する「第56回全国野生生物保護活動発表大会」で環境大臣賞に輝いた。クイズを通して野鳥について学ぶ「愛鳥博士テスト」を実施するなど熱心な活動が評価された。
豊かな自然 周辺に30種類以上の野鳥
福生第五小学校の周辺には、多摩川や緑地といった豊かな自然があり、30種類以上の野鳥が観察できる。1972年、野鳥保護に関する教育に力を入れる都の「愛鳥モデル校」の指定を受け、野鳥観察会や巣箱作りなどを授業に取り入れてきた。
4年生以上は、野鳥のイラストを見て名前を当てるクイズ形式の「愛鳥博士テスト」を受け、合格すると賞状と缶バッジがもらえる。実施は年3回で6年生の約9割が「愛鳥博士」になるという。さらに難易度の高い「スーパー愛鳥博士テスト」は野鳥の鳴き声から名前を当てる内容で年1回の実施。合格する児童も少なくなく、学校で保護活動のリーダーを務めている。
自然保護のボランティアに参加したい
11月に環境省であった発表大会は全国の応募校から選ばれた9校が参加。福生第五小は渡部紗也さん(12)ら6年生6人が活動を報告した。渡部さんは「自然を守ることが野鳥を守ることにつながることを知った。これからは自然保護のボランティアに参加したい」と受賞を喜び、愛鳥博士テストで野鳥への興味を深めた松岡莉々華さん(12)は「将来は鳥に関わる仕事をしたい」と語った。
大会は環境省などが主催。環境大臣賞はゲンジボタルを人工飼育している愛知県岡崎市立河合中と、外来種のウチダザリガニの駆除活動をする北海道美幌高も受賞した。文部科学大臣賞などもある。