中学校の都大会に地域クラブも参加可能に 教員の負担軽減へ、都教委が改革案
三宅千智 (2023年2月17日付 東京新聞朝刊)
東京都教育委員会は16日、公立中学校の休日部活動の地域移行に向けた改革案を公表した。現在は学校単位での出場が原則の都大会の参加資格を地域のクラブにも拡大し、生徒が学校の部活以外でも全国大会を目指せる環境をつくるとともに、部活動の指導などが負担となっている教員の長時間労働の改善につなげたい考えだ。
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部活の「地域移行」は全国的な流れ
国は少子化への対応や教員の負担軽減などを目的に、公立中学校の地域移行を進めており、都も追随した格好だ。
改革案では地域クラブとして、プロスポーツクラブのジュニアチームや民間のスポーツクラブ、複数の学校の部活動の統合、文化芸術団体などを想定。都と区市町村が連携して支援・助言し、部活動の代わりとなる「受け皿」を整備する。同時に地域クラブの都大会などへの参加を認める。各都道府県の中学校体育連盟は新年度からの地方大会に関し、地域クラブなど民間に所属する選手の参加を全競技で認めることを決めており、地域クラブなどにも全国大会への道が開く。
まず休日から 25年度末までに実現へ
部活動の地域移行は、まずは週末などの休日に実施。2025年度末までにすべての公立中で実現に向けた取り組みを促す。
昨年10月、都内公立中学の教員の1カ月当たりの残業時間の調査では、48.6%の教員が国の上限である45時間を超えた。うち過労死ラインとされる80時間超えは全体の9.8%。小学校や高校、特別支援学校の教員より過酷とされ、労働環境の見直しが急務だった。
都教委は改革案について、3月3日まで都民から意見を募り、同23日に正式な指針を示す。
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