保活の最新動向は? 後悔しない保育園選びのコツは? 普光院亜紀さんが新著で解説「子どもへの関わり方や姿勢を見て」
奥野斐 (2021年9月24日付 東京新聞朝刊)
来春の保育園入園申し込みが始まった自治体もある中、保育行政や現場を長年、見てきた「保育園を考える親の会」(東京都豊島区)代表の普光院亜紀(ふこういん・あき)さんが今月、園選びのポイントをまとめた本を出版した。待機児童対策で施設が増えた一方、保育の「質」の差は顕著に。普光院さんは「見た目のきれいさや習い事の有無で判断せず、保育者の子どもへの関わり方や姿勢をみる視点を伝えたい」と話す。
保活の最新動向、スケジュールまで解説
本は「後悔しない保育園・こども園の選び方―子どもにとって大切な12の視点」(ひとなる書房)。市区町村に申し込む認可保育園と直接契約する認可外保育施設の違いから、子どものために譲れない視点、保育園に入るための「保活」の最新動向、スケジュールまで分かりやすく解説した。
保育のあり方を示した国の「保育所保育指針」にも着目。普光院さんは「指針には『一人一人』という言葉が37回も出てくる。しっかりと目を向けているか、子どもの人権という基本を押さえているかは重要」と、大切な視点の一つを語る。
よりベターな選択をするために
コロナ禍で、申し込み前の見学がしづらくなったが、実際に園に足を運ぶことで見えてくるものも多い。「まずは園に連絡を。見学できなくても動画や外での説明で対応してくれる場合もある。現場に行けば声も聞こえ、散歩の時に様子も分かる」と助言する。
普光院さんによると、平日10時間、保育園を利用する子は、年間で目が覚めている時間の46%を園で過ごし、園は「第2の生活の場」ともいえる。ただ、待機児童対策で施設は増えたものの、保育士不足で目が行き届かなかったり、不適切な保育がなされたりする場合もあり「どの園でも大丈夫」とは言えない状況だ。「園との出合いが、その後の親子の生活や子どもの育ちにも影響する。よりベターな選択をしてほしい」と話している。
10月3日に無料のオンライントーク
208ページ、1870円(税込み)。普光院さんが出演する出版記念オンライントークイベントが10月3日午後2時からある。無料。申し込みは10月1日までに「保育園を考える親の会」のホームページの専用フォームで受け付けている。