家で眠る布を子どもの巾着袋やポーチに 逗子や葉山で広がるアップサイクル 園ごとの指定サイズで製作も 母親ら「社会復帰のきっかけに」
「自分に何ができるのか」育児中に不安
プロジェクトは昨年1月に始まった。家に余っている木綿や麻など天然素材の布を寄付してもらい、子どもが使う巾着袋やポーチなどを作って販売する。製作は子育て中の母親に依頼。在宅でもできる仕事を通じて、育児との両立や社会復帰につなげてもらうためだ。少額だが謝礼も支払う。現在は10人ほどの母親が参加。小物は市内外のイベントで販売し、「センスがいい」と好評だ。
吉田さん自身も小学2年と4歳の男児の母親。子どもを持つことを望んだのを機に仕事を辞め、出産後は子育てに専念する一方、子どもが成長するにつれ、「この先、自分は何ができるんだろう」という不安が芽生えてきた。
弁当袋など作り、今までにない達成感
2021年夏、重い心臓病を患っていた葉山町の森木花ちゃん(4つ)の米国での心臓移植を支援するため、手づくりの弁当袋やランチョンマットなどを販売。約5万9000円の売上金を寄付した。布やミシンと格闘しながら出来上がった作品を見て、今までにない達成感を得た。
「この思いを子育て中のママと共有したい」。家庭で余っている布を回収し、小物を製作販売するプロジェクトを思いついた。「社会とつながりたい、家でできる仕事がしたいと思っている女性は多い。子育て中の母親の社会復帰のきっかけになれば」。布をアップサイクルすることで資源の再利用にもつながると考えている。
売り上げの一部は女性の社会復帰支援に
現在は地元の幼稚園の入園グッズづくりに取り組んでいる。園ごとに指定されたサイズで製作し、一個からでも受け付ける。売り上げの一部は、女性の社会復帰を支援したり子どもの未来につながる活動に寄付する。
悩みは広く販売する機会が少ないこと。「市内で流通する仕組みをつくり、逗子をもっと活性化させたい」と思い描く。プロジェクトの問い合わせは電子メール=tadaima.okaeri000@gmail.com=ヘ。