佐倉市の市立3幼稚園、すべて本年度末で閉園へ 保護者が反対会見「私立に断られた子の受け皿だった」
加藤豊大 (2023年6月8日付 東京新聞朝刊)
千葉県佐倉市は、市立の全3幼稚園を本年度末で閉園する方針を固めた。学級維持に必要な園児数の確保が難しくなったためとし、5月末に保護者らに報告した。一方、保護者有志が7日、市内で会見を開き「自分たちの声が反映されていない」と反対した。
無償化で3年制の私立園希望が増加
3園は、4、5歳児を受け入れる2年制の佐倉幼稚園、和田幼稚園、弥富幼稚園。佐倉市教委によると、少子化に加え、市が幼児保育無償化を2019年10月から始めたことなどから、3歳児から受け入れる3年制の私立幼稚園の入園希望者が増加。和田(定員40人)はすでに2020年度から休園しており、佐倉(同210人)は本年度の通園が14人、弥富(同40人)が3人に落ち込んでいた。
佐倉市教委などは昨年11月から3園の存廃を検討。今月1日に閉園方針を市ウェブサイトなどで公表し、15日までパブリックコメントを受け付けている。
これを受け、佐倉幼稚園の保護者有志が市への要望書を作成。この中で保護者に対する説明や今後の入園希望者数の調査が不十分と指摘。市立幼稚園は、障害があることや年度途中であることなどを理由に私立の入園を断られた子どもの受け皿になっていたとも指摘した。卒園児の保護者も含め約100人が賛同しており、8日に市に提出する予定という。
7日、会見を開いた保護者有志代表の森本早苗さん(38)は「閉園の結論ありきのように見える」と話した。