深刻な保育士不足「お尻ふいてもらえず帰宅」 保護者アンケートで99.7%が「足りない」
奥野斐 (2023年9月26日付 東京新聞朝刊)
保育士不足を感じる場面などを保護者に聞いたアンケートで「人手が足りずプール遊びがなくなった」「お尻をふいてもらえず汚れたパンツで帰ってきた」など深刻な声が寄せられていることが明らかになった。十分な保育環境を求める保護者の切実な思いが浮かび上がった。
5月からの回答4432件を集計
保護者らでつくる団体「子どもたちにもう1人保育士を!全国保護者実行委員会」が25日、東京都内で記者会見し発表した。
実行委によると、アンケートは子どもが保育園に通園しているか、かつて通園していた全国の保護者を対象にインターネットで5月に始め、9月17日までの回答4432件を集計した。
それによると、今の国の配置基準に基づいた保育士の人数について「とても不足している」(3451人)「不足している」(814人)「どちらかといえば不足している」(153人)となり、合計で99.7%に上った。
配置基準「2倍以上」求める声
国の配置基準では、保育士1人で0歳児3人、1・2歳児6人、3歳児20人、4・5歳児30人まで受け持てる。安心できる保育士の配置について1歳児は「3対1」、4・5歳児は「10~15対1」と現行の2倍以上を求める声が、それぞれ過半数を占めた。
また、子どもの送迎時に保育士が忙しそうで声をかけづらいと「よく感じる」「たまに感じる」は計90.4%に。自由記述では、トイレ時に「職員が近くにいなくてお尻をふいてもらえず、帰宅後にパンツにウンチが広がっていた」(名古屋市)という声も。実行委は「保護者の願いは子どもの命と安全が守られること。そのための配置基準改善が必須」と訴えた。
アンケートは「子どもたちにもう1人保育士を!」全国保護者実行委員会の投稿フォームから10月末まで回答できる。
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