解熱後すぐ登園したがる3歳の息子 行かせるとまた発熱を繰り返す〈宮里曉美の子育て相談〉

(2024年8月20日付 東京新聞朝刊)

解熱後の登園 休ませる判断と子どもへの伝え方は?

 3歳の子どもが発熱し保育園を休ませました。解熱後、本人が行きたがるので行かせてみるとまた熱が出てしまうことが多く、園にも私の職場にも迷惑をかけてしまいます。休ませる判断のモノサシと、子どもへの伝え方を教えてください。(3歳男児、30代母親)

イラスト・永須華枝

熱が下がった後の1、2日は家でゆっくり

 お子さんは保育園が大好きなのですね。それはとてもうれしいことです。1日でも早く園に行きたいお子さんにとって発熱時に休むことは理解できても、「平熱になった」は「治った!」なので、それなのになぜ?と思うのかもしれません。

 そんな時には、熱が下がったことを喜びあった上で「元気パワーが戻るまで園に行くのはもう少しがまん」と伝えてあげてください。お母さんやお父さんも仕事を休むなど、いろいろ大変かもしれませんが、熱が下がった後の1、2日を家でゆっくり過ごすことで、心と体の元気回復が図れます。年齢が上がると熱を出す頻度も減ってくるはずですので、今にゆっくり付きあってください。

 お子さんを預かる施設では発熱等の理由で園を休む際の基準を定めていると思います。一般的な例としては「24時間以内に38℃以上の熱が出た場合は登園を控えるのが望ましいため、前日の夕方や夜に38℃以上の熱があった場合は翌日熱が下がっていたとしても園を休む」があります。「発熱したら、平熱に戻って1日元気に過ごしてから登園」というのが目安になります。

 登園を再開した場合、大抵はそのまま元気に過ごしますが、相談にあるように「また熱が出る」ということは、そんなに珍しいことではありません。園では、発熱で休んでいた子が登園してきた場合には、体温チェックをこまめにしたり様子を丁寧に見たりしていくようにします。

 平熱だけれど全体的に元気がない、表情がすぐれない、遊び出さないなどの様子が見られたら、看護師が様子を見たり、保健室でしばらく横になって過ごすといった対応を取ります。そのうちに調子が戻ってくれば大丈夫。お昼ご飯の頃になっても食欲が出てこないような時には保護者に連絡をすることもあります。

 小さな子どもの場合、自分の体の不調について言葉で説明をすることはあまりないので、表情や行動などから声なき声を察知し、いろいろに対応します。時には心配のし過ぎということもあるかもしれませんが、大事なことかなと思っています。

 (文京区立お茶の水女子大学こども園・前園長、お茶の水女子大学特任教授)