「だるまちゃん」「からすのパンやさん」かこさとしさんの絵本原画、貴重な151点 八王子市夢美術館で特別展
布施谷航 (2020年2月12日付 東京新聞朝刊)
2018年に92歳で死去した絵本作家、加古里子(かこ・さとし)さんの歩みや作品を紹介する特別展が、八王子市八日町の市夢美術館で開かれている。子どもたちに対する温かいまなざしを感じられる展示となっている。4月5日まで。
子どもへの温かいまなざし ゴッホの模写も
代表作の「だるまちゃん」シリーズや「からすのパンやさん」の下絵、原画など151点を展示。ボッティチェリやミレー、ゴッホの模写といった貴重な資料も並ぶ。戦後のドイツでチフスやコレラなどの疾病対策にあたった八王子ゆかりの医師、肥沼信次(こえぬま・のぶつぐ)さんを題材にした作品も紹介している。
青春時代に戦争を経験した加古さんは戦後、「子どものために生きる」と決意。川崎市のボランティア福祉活動で子どもたちと交流を深めたのが、絵本作家の原点となった。会場では、子どもたちに見せた紙芝居や、活動中の加古さんの写真も公開している。
入館料は一般600円、小学生以上の学生と65歳以上は300円。月曜休館(祝日の場合は翌日休館)。問い合わせは同美術館・電話 042(621)6777=へ。