福生のいとこ5人組バンド「Babyboom」が話題 7~11歳が作る歌詞に共感の声 結成のきっかけは母親への反抗!?

布施谷航 (2020年7月14日付 東京新聞朝刊)

 2家族のきょうだい5人でつくる東京都福生市の小学生バンド「Babyboom」が、YouTubeで話題になっている。コロナ禍で活動の場をオンラインに広げたところ、子どもの気持ちを素直に表現した曲に、全国から「共感した」などと反響が寄せられている。

乾いてるパジャマに濡れてるタオル

 5人は幾さん(11)=ドラム、文さん(11)=ベース、史乃さん(9)=ギター、航君(8)=キーボード、哲君(7)=同。きょうだい同士は、いとこでもある。

 きっかけは3年前。「乾いてるパジャマに濡(ぬ)れてるタオルを重ねたら駄目でしょ!」。母親に注意された史乃さんは、メロディーに乗せて「乾いてるパジャマに濡れてるタオル」と大声で怒鳴り返した。やりとりを見ていた史乃さんの父親で、音楽の経験がある末永考さん(33)は「これだ!」とひらめき「子どもの素直な気持ちを込めれば、楽曲になるのでは」と作詞、作曲をしてみた。

 これを機に5人はバンドを結成。歌と楽器の練習に励み、末永さんと話し合いながら作詞、作曲にも参加する。同級生の女の子に傘を貸し、びしょぬれで帰ってきた航君のエピソードを元にした「傘」、きょうだいに譲ってばかりの長女、幾さんの思いを歌った「ONE ECHAN(おねえちゃん)」−。「『これはいい』と思わないと、子どもたちは演奏してくれない」と末永さん。素直な思いを引き出して言葉に表すため、対話は重要な作業だという。

末永考さんとBabyboomのメンバー=福生市で

動画を公開すると、全国から反響が

 5人は末永さんの父、克行さん(76)が主宰する劇団「太鼓と芝居のたまっ子座」の舞台で曲を披露してきたが、2月以降はコロナ禍で休止に。子どもたちが表現できる場を設けようと、YouTubeで演奏の公開を始めた。すると「ちょっとしたことで子どもを叱っているのに気付かされた」「替え歌にしてわが家でも歌っている」などと、曲や歌詞に共感する声が全国から届くようになった。

 末永さんは思わぬ反響に「映像を見た子どもたちが、自分の考えや思いを伝える大切さを感じてくれたらうれしい」と話す。劇団の公演は10月再開の予定。直接、子どもたちの元気な歌声を届けられる日を心待ちにしている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年7月14日