〈えほん〉「まほうのよるに はじめてサンタのそりをひいたトナカイのおはなし」作・マット・タバレス 訳・まえざわあきえ
長壁綾子 (2023年12月13日付 東京新聞朝刊)
どうぶつサーカスにいるトナカイの家族。末っ子のダッシャーは、ママから自由で楽しい北極の話を聞くのが大好き。
「いつかここを出て、ママとパパの生まれた北極に行けますように」。北極星へ願い事をするダッシャー。風が吹き荒れた晩のこと、囲いの出入り口が開き、一目散に走り出す。
走っても走っても北極にたどり着かず、途方に暮れて北極星を見つめるダッシャーの前に、白い馬のひく大きなソリとサンタが現れて…。
豊かな想像力から生まれた美しい物語。クリスマスの夜の奇跡を鮮やかに描く。
1980円。世界文化社=電話03(3262)5115。