中学生から届いた新聞 「新聞の価値は?」「インターネットとの違いは?」 取材される側に回って
今川綾音 (2024年9月6日付 東京新聞朝刊)
「新聞製作は私が思っていた以上に大変」「取材から印刷まで1日でしているので毎朝新聞が読める」。そんな言葉がちりばめられた水色の冊子が編集チームに届きました。7月半ばの校外学習で、企業訪問として来訪してくれた埼玉県富士見市立西中の2年生、約20人からでした。
冊子には、生徒たちが訪問で学んだり考えたりした内容をまとめたA4サイズの新聞がとじられていました。一人一人が作った新聞には、新聞のメリットとデメリット、カメラのレンズの見え方の違いなど、社員の説明が分かりやすく、鋭い切り口で書かれています。
「メリットは、知識や情報が幅広く入ってくること。デメリットはサイズが大きく、すぐに情報を見たい時に場所を選ばなくてはいけないこと」「新聞の価値は、インターネットとは違い、情報をバランス良く教えてくれる『自分の興味の入り口』(であること)」
訪問当日にかかわった十数人の社員たちは、届いた新聞を熟読し、「話したことを、よく捉えて書いてくれていますね」「ウェブと紙面の違いに興味を持ってもらえて光栄」と、完成度の高さに驚いたり、自分の話が字になったことに喜んだり。
話した内容を正確につかんで書いてくれている新聞を見ていると、熱心にメモを取りながら各部署の担当者の話を聞いていた生徒たちの姿がよみがえりました。真剣なまなざしと細かい字で埋まっていくノートを見て、普段は取材する側の私たちは、熱心に話を聞かれ、丁寧にメモを取ってもらうことのうれしさ、ありがたさを知りました。家で新聞を取っていない生徒が「前よりずっと身近に感じることができ、新聞を読みたいと思いました」と書いてくれたことにも励まされました。
富士見市立西中の2年生が東京新聞を企業訪問した記事は、こちらから読めます。