冬でもパジャマを着てくれないぽんこちゃん〈古泉智浩さんの子育て日記〉59

(2025年1月22日付 東京新聞朝刊)

お絵描きをするぽんこちゃん

肌着とパンツでも風邪をひかない 

 小1のぽんこちゃんは去年からずっと寝る時は肌着とパンツのみでした。お兄ちゃんが夏場、パジャマを着ずに寝ていたのをまねしてパジャマを着なくなったのですが、冬になればお兄ちゃんはパジャマを着るようになりました。ところが、ぽんこちゃんはそのまま肌着とパンツだけで一冬を越してしまいました。肌着でも長袖を着てくれればまだいいのですが、半袖かキャミソールしか着ません。

 そして今冬。外気温は低い日は0度です。室内はストーブで20度ですが、廊下やトイレはとても寒いです。1年もたつと体が大きくなって、前から着ていたパジャマがパッツパツになってしまいました。ちょうどいいサイズのものを買うべきなのか、買っても着てくれないなら無駄になるのでは、とちゅうちょしていました。しかし、親としてパジャマを用意しないのもいかがなものかと悩んだ末、格安のパジャマをアマゾンで買いました。

 するとどうやら気に入ってくれて、お風呂上がりに着るようになりました。そうして布団に入って電気を消して、僕が先に寝てしまうのですが、夜中に目を覚ますと肌着とパンツになっているではないですか。「なんで脱ぐんだよ、冬だぞ」「だって暑いんだもん」。子どもは体温が高いといいますが、そこまで高いでしょうか。布団も、羽毛布団と毛布2枚を重ねて掛けているのですが、夜中に見ると背中がまるまると出ていたり、毛布を外して布団だけだったりしています。それでも風邪をひかないということは、大丈夫なのでしょうか。

寒いのは服を着ないからでしょう 

 それでいて朝、布団を出てリビングに連れて行こうとすると、「寒い寒い」と言います。肌着とパンツだけなら当たり前です。リビングに行ったらストーブの前から動きません。「服を着てないから寒いんだよ、さっさと服着なよ」と何度促しても全然着ず、肌着とパンツ姿でパンを食べます。「なんで服着ないの。寒いに決まってんでしょ」「だってパパがそう言うと着たくなくなるんだもん」

 それが真相なのでしょうか、とにかくぽんこちゃんは言うことを全然聞きません。服を着るのは登校ぎりぎりの時間です。そんなぽんこちゃんは、僕がママに叱られていると「そうだよねえ! パパが悪いんだよねえ!」と大喜びで同調します。いつも僕がぽんこちゃんに小言を言っているので、僕が叱られるのが大層うれしそうです。その上「パパが悪い!」と言いながら僕を手でたたきます。僕はぽんこちゃんが悪いからといってたたいたりはしません。

古泉智浩(こいずみ・ともひろ)

 漫画家。養子の10歳男児うーちゃんと、7歳女児ぽんこちゃんを育てる。