横浜市のフードバンクから横須賀市の子ども食堂へ お米を無償提供します
北爪三記 (2019年6月26日付 東京新聞朝刊)
神奈川県横須賀市は、市内で子ども食堂を運営する団体に、公益社団法人「フードバンクかながわ」(横浜市金沢区)から無償提供される米が届く仕組みを整えた。食堂の運営に欠かせない米を寄付か購入で賄っていた団体側は「本当に助かる」と歓迎している。
運搬はNPOに委託 横須賀市役所で受け取れる
昨年10月、横須賀市はフードバンクかながわと協定を締結。無償提供される食品を横浜市金沢区の倉庫から市役所まで運ぶ業務を、市内のNPO法人「神奈川フードバンク・プラス」に委託し、届いた食品は生活保護の申請に訪れた人など困窮者の支援に充ててきた。
今回新たに、横須賀市内で子ども食堂を運営する6団体で設立した「よこすか三浦子ども食堂・地域食堂ネットワーク」を支援することにした。事務局を務める「市民活動サポートセンター」が毎月、各団体が必要とする米の量を取りまとめ、フードバンク・プラスが横須賀市役所に米を運ぶと、各団体が受け取りに訪れる仕組み。
「必要な量、非常に助かる」行政とのつながりも
24日には1回目の米計約30キロが市役所に運ばれ、6団体のメンバーらが集まった。「お米の寄付もあるが、月によって波がある。必要な量をもらえるのは非常に助かる」「行政の支援を受け、他の団体とつながれるのは力になる」などの声が上がった。
サポートセンターの沼崎真奈美さんは「各団体ともほとんどがボランティア。時間もお金もない中で、安定的にお米をもらえ、市役所に受け取りにくればいいというのはありがたい。食堂には課題を抱えた親子も来るので、行政とつながれたことで支援の相談もしやすくなる」と喜んだ。