港区芝大門に子ども食堂オープン NPO「みなと子ども食堂」と電通がコラボ 月2回夕食を提供
市川千晴 (2019年9月11日付 東京新聞朝刊)
NPO法人「みなと子ども食堂」と電通が社会貢献のために新設したグループ「ノーペコラボ」が協力し、東京都港区芝大門の元居酒屋の空き店舗に「みなと子ども食堂・大門だもん店」をオープンさせた。月に2回ほど夕食を用意する。子どもと食の問題を多くの人たちと一緒に考え、行動していくという。
同世代と気軽に楽しく過ごせる
お腹をすかせた子が心も満たされることを願う「グーグーの日(九月九日)」にちなみ、9日にオープン。子どもたちがダンスを披露し、フードスタイリストの飯島奈美さんが作った直径50センチの特大オムライスケーキで、親子連れや中学生ら約40人と祝った。
子ども2人と訪れた会社員の母親(40)は「仕事があり、夕食は本当に大変。同世代と気軽に楽しく過ごせる子ども食堂を探していた」と笑顔を見せた。
「笠井設計」が空き店舗を提供
空き店舗を所有する笠井設計の笠井高範社長(45)が「子ども食堂として使って」と区に相談したのがきっかけで、約3年前から南麻布の区施設で、子ども食堂を運営する「みなと子ども食堂」が2号店として始めることになった。阿部浩子理事は「夜間でも明るい場所なので、気軽に来てほしい」と話す。
支援することになったノーペコラボの本間絹子代表は「子どもの貧困は深刻で、孤食の問題も指摘されている。より多くの人に興味を持ってもらえるよう工夫することで、解決につなげていきたい」と話した。
ひとり親家庭の「孤食」を解消
区の2016年7月の調査では、ひとり親や就学援助を受ける世帯などの約12%が、夕食を子どもだけで食べており、「孤食」解消に向けた取り組みを続けている。
今後は、毎月第2、第4水曜日の午後6~7時に開催。次回は9月25日。子ども100円、大人300円、未就学児と保護者セット300円。利用するには、みなと子ども食堂のホームページから予約が必要。問い合わせはみなと子ども食堂=電話080(7960)0207=へ。