【虐待防止月間】命を落とした35人の子どもたち…その状況は 銀座で虐待のない社会を考える集会

飯田克志 (2023年11月7日付 東京新聞朝刊)

虐待で亡くなった子どもたちの死を悼んだ市民集会=中央区銀座で

 虐待で亡くなった子どもたちを悼む市民集会が5日、中央区銀座の銀座ブロッサムであった。子どもたちの名前が読み上げられ、参加者は鎮魂の祈りをささげ、虐待防止への思いを新たにした。

虐待相談対応は過去最多の約22万件 

 11月の児童虐待防止推進月間に合わせ、NPO法人児童虐待防止全国ネットワークが主催。2022年度の児童相談所による虐待相談対応件数は過去最多の21万9170件(速報値)に上っており、吉田恒雄理事長はあいさつで「一人一人ができることをして、一日も早く虐待のない社会を実現しましょう」と呼びかけた。集会では、同法人が同年の報道で把握した虐待で命を落とした35人の子どもたちについて、名前や亡くなった時の痛ましい状況も報告。鎮魂の曲が演奏され、参加者が黙とうした。

 また、児童養護施設で育った当事者が、虐待を受けながらも「すぐに命の危険はない」として保護されない子どもたちへの支援の必要性を訴えたほか、パネルディスカッションもあった。

 集会後、参加者は虐待防止のシンボルカラー「オレンジ」のリボンなどを身に着け、銀座で「鎮魂の行進」をして虐待防止をアピールした。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年11月7日