学童の待機児童は都市部に集中 東京・埼玉・千葉で全国の4割 人口流入で整備追い付かず

(2023年12月26日付 東京新聞朝刊)
 こども家庭庁は25日、親が働く小学生が授業の後に過ごす「放課後児童クラブ(学童保育)」の今年5月1日時点の待機児童数の確定値を発表した。全国1万6276人のうち東京、埼玉、千葉の3都県で計6632人と4割を占めた。都市部への人口流入で増える児童数に整備が追い付かないためで、同庁は校内の空き教室の積極活用や補助拡充などの対策を示した。

待機児童が多い10自治体

①千葉県船橋市 338人
②埼玉県所沢市 337人
③さいたま市  329人
④埼玉県越谷市 328人
④東京都葛飾区 328人
⑥東京都練馬区 292人
⑦東京都足立区 263人
⑧東京都中央区 257人
⑧東京都杉並区 257人
⑩山口県山口市 220人

10月を初調査 年度初めより需要減?

 都道府県別の待機児童数は東京都が最多の3524人。次いで埼玉県1881人、千葉県1227人だった。自治体別でも上位9つを3都県の市区が占めた。

 10月1日時点の待機児童数を初めて調べ、全国で8487人(速報値)と5月時点から半減。年度初めや夏休みはニーズが高い一方、その後は減るとみられ、待機児童が多い3都県でも同じ傾向があったという。

夏休みだけ開所する施設への支援も検討

 こうした状況を踏まえ、こども家庭庁と文部科学省は25日に公表した「放課後児童対策パッケージ」で、年間200日以上開所する施設が対象の国の現行の補助金について、夏休みだけ開所する施設などへの支援のあり方を検討すると明記。担当者によると、2024年度内に実態を調査し、2025年度にも補助制度の強化などの対策を進めたいという。

 他に、学童保育の場と人材の確保、利用調整の3本柱で、2024年度中に約152万人分の受け皿整備を進め、早期に待機児童の解消を図るとした。常勤職員の配置改善や、賃貸物件を利用する際の補助引き上げなどを盛り込んだ。 

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年12月25日