特別養子縁組の面接が決まった直後、子どもがコロナに感染!〈古泉智浩さんの子育て日記〉31

(2022年3月18日付 東京新聞朝刊)

自分の部屋で、ぬいぐるみとくっついて遊ぶぽんこちゃん

大人も感染、と覚悟したけれど

 4歳の里子・ぽんこちゃんの特別養子縁組の手続きを申請していたところ、先日、家庭裁判所の調査官から通知があり、面接と家庭調査の日取りが決まりました。面接は家庭裁判所で行われます。担当は若い女性の調査官でした。ところが、日程を決めた直後に、子どもが2人とも新型コロナウイルス感染症で陽性になり、その予定に重なってしまいました。

 子どもと大変な濃厚接触をしている僕は、絶対に感染していると覚悟していました。熱はないものの、喉にちょっと違和感があり、たんがたくさん出る。これはオミクロン株に感染した症状に違いない。でもワクチンを2回接種しているので、これくらいで済んでいるのだろう。

 妻も毎朝、喉が痛いと言う。3回目接種の通知が来ている母は、抗体が減少してきているだろうし、大丈夫だろうかと非常に不安に思っていました。ところが検査の結果、大人は全員陰性でした。幸い子ども2人も、1日熱が出ただけでずっと元気なままでした。

調査官のお姉さんにいつもの姿

 隔離期間を置いて日程を遅らせてもらい、妻と僕とで家庭裁判所に面接に赴きました。7歳の養子の兄・うーちゃんの時の経験があり、2回目なのでそれほど緊張もなく、質問に答えてその日は終わりました。ぽんこちゃんと僕らの様子を確かめる家庭調査の日は、保育園へは遅刻して行くことにしました。

 ぽんこちゃんは最初、人見知りのせいか、調査官のお姉さんに対して、うつむいて小さな声で話していました。しかし、自分の部屋を案内すると途端に元気になり、脱衣場の床に寝転がってバレエで習った両足を大きく広げる柔軟体操を披露し、のびのびとした様子を見せつけていました。ここで変に萎縮したり、僕の顔を見ておびえるなどの様子があったら大変なことです。もちろん普段からそんなことは全くないのですが、いつも通りの姿が見てもらえて本当によかったです。

 問題は、お姉さんが帰った後です。保育園に連れて行こうとすると、すごく嫌がり、なんとか保育園の玄関までたどり着いても「パパがいい~」と言って涙を流します。感染前はこんなことはなかったのですが、10日間も保育園を休んだせいか、すっかり休み癖がついたようで、その後も毎朝連れて行くのに一苦労です。嫌がっても結局は連れて行かれることを早く理解してほしいです。(漫画家)