「寝かしつけに効果的」赤ちゃん抱っこしてみんなで踊ろう 13日にオンラインでベビーダンス 虐待のない社会を目指して

吉岡潤 (2021年11月9日付 東京新聞朝刊)

ベビーダンスを指導する田中さん(右から3人目)=厚木市で(日本ベビーダンス協会提供)

 赤ちゃんを抱っこして踊る「ベビーダンス」のオンラインイベントが13日、横浜市など国内各地の13会場を結んで開かれる。今月は児童虐待防止推進月間。ベビーダンスは「親子の絆づくり」を目的としており、虐待のない社会を目指す「オレンジリボン運動」の一環として実施される。

簡単ステップで「赤ちゃん爆睡率は9割」

 イベントは一般社団法人日本ベビーダンス協会と、NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク(いずれも東京都)の共催。日本ベビーダンス協会代表理事の田中由美子さん(46)は元プロ社交ダンサーで、2006年に長女を出産した。体験を通じてダンスが寝かしつけに効果的で、育児中のストレスや孤立感を和らげ、運動不足の解消にも役立つと着目。翌年、ベビーダンスを考案した。

 サンバ、ブルース、ワルツ、チャチャチャといったいろいろな曲調に合わせ、社交ダンスのエッセンスが入る。ステップは簡単。見よう見まねでOKという。

 小児科医や産婦人科医らの協力を得て、抱っこひもの結び方や抱く高さ、腕の位置など安全面に留意し、赤ちゃんが心地よくなるように工夫した。田中さんによると「調査結果では、赤ちゃんの『爆睡率』は9割以上。誰でも寝かしつけられるのでパパも自信がつく」。

「ベビーダンスを体験してほしい」と呼び掛ける小茂田さん=横浜市中区で

 現在、協会認定のインストラクターは140人。男性も5人いる。横浜市中区のJR関内駅に近い社交ダンス教室「ひできダンスアカデミー」の講師、小茂田容子さん(42)は田中さんの競技仲間だった。第2子がおなかにいた2年半前、ベビーダンスのインストラクター免許を取得した。

「人をつなぐツール」スタジオ参加も可

 「男女共同参画、男性の育児参加、児童虐待防止の啓発といった理念に共感して」。社交ダンスを広める入り口としての魅力も感じたという。「ベビーダンスは子供と親、パパとママ、いろいろな人をつなぐツールになる」と力を込める。

 日本ベビーダンス協会によるオンラインイベントは2回目。10月3日に開催した第1回は、仙台市をメイン会場に関東各地の計6会場を結んだ。13日は小茂田さんのスタジオも会場となっており、参加者を募集中。協会ホームページを通じ、自宅などからオンライン参加もできる(事前申し込みが必要)。

 参加無料。対象は首のすわった生後3カ月以降の赤ちゃんと保護者。問い合わせは、ひできダンスアカデミー=電話045(212)2285、日本ベビーダンス協会=電話050(3577)5155(平日午後1時~5時)=で受け付けている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年11月9日