18トリソミーの子どもたちの写真展 かけがえのない存在を知ってほしい 聖路加病院の画廊で
奥野斐 (2022年3月18日付 東京新聞朝刊)
重い心疾患や呼吸器疾患を伴うことが多い、染色体異常の1つ「18トリソミー」の子どもたちを紹介する写真展が、東京都中央区の聖路加国際病院内にある聖路加第二画廊で開かれている。写真展を開催したメンバーは「一人一人が、かけがえのない存在であることを知ってほしい」と話す。
赤ちゃんから21歳まで241人の笑顔
2008年から国内50カ所以上で写真展を開いている家族のグループ「Team18」が主催。子どもたちに感謝の思いを込め、題名を「出会えた奇跡をありがとう」としている。
18トリソミーは、18番目の染色体が通常より1本多い3本あり、さまざまな合併症を併発する。誕生前に亡くなる子も少なくない。生まれても命は短いと言われているが、近年は積極的な治療や医療的ケアを受けながら自宅で生活する子も増えているという。
会場には、生後間もない赤ちゃんから、4月から中学生になる子、21歳の大人まで国内241人の写真がある。きょうだいに抱っこされてほほ笑む赤ちゃんや歩行器訓練に励む子の姿を撮影しており、名前や生年月日のほか「たくさんの奇跡を見せてくれた自慢の息子」「私達家族のもとに生まれてきてくれてありがとう」といった親からのメッセージも添えられている。
写真展の中心メンバーで長女美月ちゃん(3つ)が18トリソミーの冨江裕子さん(46)は「障害児はかわいそう、と言われがちだけど、娘は周りを幸せにしてくれる大切な家族の一員。一人一人、個性的な子たちを見てほしい」と話す。26日まで。午前10時~午後5時(最終日は午後4時まで)。