〈坂本美雨さんの子育て日記〉48・保育園で親友とけんか…先生の心遣いに感激
ランドセル背負う日を待ちわびて
3月。はやくも予約が始まるランドセルの下見をしに、お店に足を運んでいる。飾ってあるのを次々と背負っては鏡をのぞき込んで、本人は待ちきれない様子だ。もうすぐ娘は年長さんに上がる。保育園最後の1年だ。
保育園では、先生と話せるのはお迎えの時のみで、お互いドタバタなのだけど、よく子どものことを見てくださっている、その視線と視点に感謝することばかり。先日は、リキさん(先生ではなくみんな名前で呼ぶ)に「あっ!」と声をかけられ、瞬時に、またケンカしたのかな、と身構えたのだけど、「今日かわいいな~と思って」と話してくれたのは予想外なことだった。娘が指で数字を作って目の前に出した時、まだその手がすこしぷくぷくしてることに気づいて、「あ~まだ手には幼さが残ってるな」って思ったんですよ、と。
ふだん行動も話し方も強くて大人びたところが目立つ娘なだけに、ふいに赤ちゃんぽさを垣間見てキュンとしたんだそうだ。そんなふうに親目線で感じてくれて、今日はなにをしたという報告ではなく、ここがかわいかった、となにげないことを伝えてくれることがとてもうれしい。
大好きすぎて、ジェラシーしたり
娘には園に親友がいるが、大好きすぎて頻繁にケンカしてしまう。好きがトゥーマッチなのは遺伝してしまったようで、ジェラシーしたり、思い通りにいかなくて悲しんだり。母はとても気持ちがわかるだけにどう導いてあげたらよいのか頭を抱えてしまう。そんな2人のケンカを日々見ているであろう担任のユリさんのお心遣いにも感激した。
ある日お迎えに行くと、「もう当人たちの間で解決はしているので、そういう意味でお伝えするのではなくて」と前置きし、近くで気配を感じていた娘には「言ってもいいかな?」と確認をしてから、小声で話してくださった。「実は今日ちょっと、たぶんもどかしい気持ちが高まってお友達をかんでしまって…。本人もハッと気づいてすぐ謝っていましたし、悪いなと思って今もちょっと落ち込んでると思うので」と。娘の気持ちを怒らずにケアしてあげてほしい、という意味で伝えてくださった。細かいことは聞かずに、じゃあなんか食べて帰ろっか!と娘に言うと、娘と共にユリさんの顔もパッと晴れやかになった。また1年、先生たちの視線の先で、どんな成長を遂げていくのだろう。 (ミュージシャン)
コメント