〈パパイヤ鈴木さんの子育て日記〉4・家族をつなぐ趣味

(2011年7月29日付 東京新聞朝刊)

子どもの変化に敏感でありたい

 最近、子どもにたくさんの習い事をさせる親が多いようだ。可能性を見いだし、ポテンシャル(潜在能力)を引き出すには大変良いことだ。ただ、それに任せっきりではダメだろう。日々変わっていく子どもの様子に、親が気づかなくてはいけないからだ。子どもの変化に常に敏感でありたい。そのためにはどうしたらいいのか。

 家族をつなぐ絆が大切だと思う。そもそも絆って何だろう? そんなことを考えていたある日、妻が言った。「パパ、家族共通の趣味って何だろう?」

 趣味かぁ。あまり考えたことがなかった。僕が無趣味だからだ。ダンサー自体、趣味が仕事になったようなものだし、そもそも僕は、後々仕事にならないようなことには興味がなかった。ちなみに、娘は習字、息子はサッカーを習っている。妻は写真が趣味だったが、最近はあまり撮っていない。家族共通の趣味はまったくない。

 すると妻は「ゴルフって面白いの?」と聞いてきた。ちょっと驚いた。僕はゴルフの番組をやっているので、好き嫌いとは関係なく、仕事としてやっている。だが、妻はゴルフが大嫌いだ。理由は、せっかくのお休みに朝から出かけてしまうから。わかる気がする。

「家族でゴルフ」面白い!

共通の趣味で絆が深まる

 もし家族共通の趣味がゴルフだったら…。例えばハワイに行ったとき、お父さんはゴルフ、お母さんと子どもはお買い物というのがよくあるパターン。しかし「家族でゴルフ」となれば、ちょっと面白い感じだ。早速子どもに聞いてみた。2人とも「やりたい!」

 2人は妻と、ゴルフスクールに通うようになった。今まで見ることのなかったゴルフ番組を家族で見て、練習場に家族で行くようになった。そして、僕は今まで1人で教わっていたことを、妻や子どもに教える。なんか、イイ。うまく打てた時は本当にうれしそうな顔をする。少しずつ、何かが変わっていく。

 僕は、ゴルフで一番大切なのはマナーだと思っている。人が打つときは静かにする、人のパッティングラインを踏まないなど、ルールのほかに覚えなければならないことがたくさんある。どんなに上手でも、マナーが悪ければダメだ。しっかりと覚えて欲しい。紳士のスポーツは、家族の絆になりつつある。(振付師)