いけばな始めました。今度は息子と一緒に…〈清水健さんの子育て日記〉38
作品には、その時の気持ちが表れる
疲れがたまったのか、背中が痛い。7歳の息子に「背中を押して!」とお願いすると、息子なりにいろんな箇所を押したり、たたいたりして、「ここにストレスがたまっているね」と。ストレスという言葉をどこで覚えたのかと笑ったけど、「疲れたよー」と言いながらも、いつもより長めに続けてくれました。
最近、「池坊(いけのぼう)いけばな」をはじめました。30代までしていたゴルフは、妻の病気もあり、息子が生まれてからはクラブを持つこともなく、僕自身、趣味と言えるものがなかった。日々の暮らしの中でいつも身近にあった花も、いけばなという形では縁がなかった。お稽古は長くて一時間ほど。その時間だけは携帯も見ず、仕事のことも忘れて、集中してお花と向き合う。日々過ごしている時間のオンとオフ。まだまだ趣味と言えるほどではありませんが、お免状もいただきました!
はじめるときに、「完成した作品には、その時の気持ちが表現されるんですよ」と先生から教わりました。その時々で、まとまっていなかったり、少し寂しい感じの作品になってしまったり、自分を見られているようで恥ずかしかったり。でも、表現する・伝えるという意味では、言葉もお花も、空間や強弱の使い方に共通点が多く、かなり、はまっています。
初めての花展 息子は「本気やな!」
先日、花展にも初めて出瓶(しゅっぺい)させていただきました。全く思い通りにいかず苦戦。でも、この年になって緊張したり、不安になったり、こんな経験ができることがうれしかった。何歳になっても、何であっても挑戦できる自分でいたいなと思っています。
作品を写真で息子に見せると、「本気やな!」と(笑)。最終日は、息子も会場に来てくれました。そういう年頃なのか、うまい!とか、すごい!とは言わないけど、自分のことのように少し照れながら見てくれていた息子。公園での野球も、そう、このいけばなも、息子と一緒に楽しめることがうれしいんです。
京都での花展からの帰り道、息子が、「今日は僕とパパの一つの思い出ができたね!」って。僕の花展のことを言っているのか、帰り道に鴨川で遊んだことを言っているのかはわからないけど、今ある、息子と一緒に過ごせる時間を大事にしていきたい。
毎月、妻の月命日には必ず、息子と写真の前に飾るお花を買いにいきます。2月は息子と一緒に、いけばな、してみようかな。 (フリーアナウンサー)
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